マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
予選で消えた3825校、4万人の球児。
あえて未練で名手達に思いを馳せる。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/08/06 07:00
角館の小木田敦也、その強気の投球は見る者を魅了した。またどこかで彼の投げる姿が見たいものだ。
今ごろ、彼らはどんな時間を過ごしているのだろうか。
この夏、甲子園出場校49校。
この夏、予選で消えていった出場校3825校。
“甲子園”が始まろうとする中で、すでにもう、野球をしなくてもいい生活が始まっている球児たちは、全国におよそ4万人前後。
今ごろは、どこかの海にでもプカプカ浮かびながら、遠くからまだらに聞こえてくる現場の実況の音などぼんやりと耳にして、過ぎ去った2年数カ月に思いをはせる。
そんな時間をすごしているのかもしれない。
高校3年の夏。すべてが入れ替わってしまった夏。
ひと足お先に高校野球を卒業した球児たちへの“送辞”の意味も込めながら、なごり惜しい何人かを語ってみた。