プレミアリーグの時間BACK NUMBER
トッテナムの優勝オッズ9倍は狙い目?
スタメンは既に最強、あとは選手層。
posted2016/07/31 08:00
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
AFLO
プレミアリーグの2016-17シーズン開幕まで、あと2週間ほど。毎年のことながら、イングランドの庶民は居ても立ってもいられない心境で、このカウントダウン期間を過ごす。
但し今年は、例年になく興ざめしている部分があるかもしれない。国内ブックメイカー(賭け屋)のプレミア優勝予想オッズが控え目なのだ。
タイトルレースからサバイバルレースまで、優勝の本命視されていないクラブにとっては、昨季優勝の奇跡にあやかれとばかりに「ドゥ・ザ・レスター!」が今季の合い言葉。そのサポーターたちも、「ドゥ・ザ・レスター・ファン!」と気勢を上げて、贔屓チームの奇跡に賭けて一攫千金を夢見たいところだろう。ところが、報酬支払い総額が史上最高を記録したと言われる昨季を受けて、各ブックメイカーは今季開幕前のオッズ提示に慎重だ。
昨季17位で際どく残留したサンダーランドや、今季昇格組の1つで経営難が指摘されるハルでさえ、優勝予想オッズは平均1500倍。十分に高倍率ではあるが、昨夏のレスターについた5000倍の比ではない。そのレスターについているオッズは、如何に昨季プレミア王者とはいえ、クラブもファンも内心では「昨季限り」を覚悟しているであろう状況で、28倍前後に抑えられている。
トッテナムの9倍は、結構おいしいのでは?
昨季の筆者は、シーズン折り返しのタイミングで、14位だったチェルシーのトップ4浮上に賭けて失敗したチェルシー・ファンの1人。ちなみに、オッズは25倍だった。その損を取り戻すべく、中立的な目で今季開幕前のオッズを眺めると、トッテナムの優勝予想が悪い賭けではないと映る。
一桁台の9倍ではあるが、現実味があるとみなされている6クラブ中では最高の倍率だ。言い換えれば、優勝候補の中では最低の6番手という予想。昨季の結末がラスト4試合で白星なしの3位転落だったにしても、過小評価のように思える。
オッズをはじき出す各ブックメイカーには、大物監督の影響力が働いたのだろう。優勝候補トップ3は、昨季4位のマンチェスター・シティ、5位のマンチェスター・ユナイテッド、そして10位のチェルシー。それぞれジョゼップ・グアルディオラ、ジョゼ・モウリーニョ、アントニオ・コンテを新監督に迎えてテコ入れが行われ、喝も入るはずのビッグクラブだ。
4番手のアーセナルではアーセン・ベンゲル監督が契約最終シーズン、続くリバプールではユルゲン・クロップ監督が初のフルシーズンという特別な9カ月間を迎える。