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4度目の五輪、主将の重圧。
木村沙織は何を変えたのか? 

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photograph byAsami Enomoto

posted2016/07/28 11:50

4度目の五輪、主将の重圧。木村沙織は何を変えたのか?<Number Web> photograph by Asami Enomoto

五輪壮行会では、ロンドン五輪の時と今回を比べて「4年前はちゃらんぽらんでした(笑)」と発言して会場を沸かせた木村。

アテネ五輪の中国優勝を見て「アジアでも金」を意識。

 初めて五輪に触れた'04年アテネ大会。

 木村は腰痛のためほとんどプレーできなかった。しかし、そこで五輪への意識が大きく変わる、そんな場面に遭遇した。

「決勝の中国対ロシアを見に行ったのですが、どちらの選手もまるで目の色が違う。欧米や南米の選手と比べたら体格差はあるけれど、それでも中国が優勝を決めて。そんな姿を見て、高校生だった私は“アジアでも頑張れば金メダルが取れるんだ”と、とても励みになりましたし、感動しました」

 以来、彼女の目標の先には常に五輪があった。

 気がつけば、目標にしていた五輪に3度も出場している。ロンドン五輪後、一時は本気で現役引退を考えたこともあったが、一転、現役続行を決断。リオを目指した。

4度目の五輪。セッターの宮下遥との新しい関係。

 '13年には、何度も断ってきた真鍋監督の頼みを受け入れ、キャプテンにも就任。

「それまで引っ張ってきてもらった竹下(佳江)さん、佐野(優子)さん、大友愛さんたちが一気にいなくなってしまって。正直何をしたらいいのか分からなかったし、最初の1年は今までどれだけ先輩たちに引っ張ってきてもらったのかを痛感しました」

 17歳の頃から、吉原(知子)、竹下、荒木(絵里香)といったチームの柱を見て育った。自分はただ、彼女たちのもとで自由にのびのびとやれば良かった。でも、今度はその彼女たちの役割を自分が果たさなければならない。私に務まるのだろうか……そんな不安もあった。不慣れなキャプテンというポジションに、試行錯誤の日々が続いた。

 そんな中、若い選手たちが台頭することで、木村自身にも変化があらわれるようになった。とくにセッターを務める宮下遥との関係は、彼女にあらたな気持ちを芽生えさせることに。その関係とは――。


 集大成となるリオ五輪にどのような思いをもって挑むのか、そして彼女が目指すところは何なのか。本編は、Number907号掲載の木村沙織インタビュー「キャプテンの覚悟。」でご確認ください。
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