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<リオ・パラリンピック期待の25歳>
山田拓朗「パラ・アスリートの矜持を見せる」 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph byTakashi Shimizu

posted2016/07/28 11:00

<リオ・パラリンピック期待の25歳>山田拓朗「パラ・アスリートの矜持を見せる」<Number Web> photograph by Takashi Shimizu

見ただけですごさが分かるスイマーに。

 筑波大学の水泳部には、高校総体などを制してきて、オリンピックを現実に視野に入れる選手たちがいた。

「オリンピックをめざす雰囲気、思いの強さを肌で感じてきました」

 それゆえに、パラリンピックを取り巻く環境、パラリンピアンのあり方に歯がゆさを感じもする。

「オリンピックの代表になるには才能、思い、努力が必要で、それでも一握りしかなれない。オリンピックとパラリンピックでは分母は違いますが、世界で勝つためには、思いの強さ、レベル、意識に差があるべきではないと思う。でなければメダルなんて狙えないし、『障がいがあるのに頑張っているね』ではなく、純粋にスポーツとして観てもらうには、パフォーマンスとして光るものがないといけないと思うんです。さもないと、オリンピック選手にも認めてもらえない。でも注目が集まり、競技環境が整ってきて、そういう感覚を持った選手が少なくなっている気がする。障がいがあるなしに関係なく、すごい選手は見ただけですごさが分かる。そこをめざさないと」

 だから山田は、真摯に速さを追求し、世界の舞台で勝負しようと努力を積み重ねてきた。

 そして今、リオデジャネイロパラリンピックを目前に控えている。

「50mに関しては金メダルを。100mは色を問わずメダル争いができるようにと考えています」

 どこまでも本気のアスリートは、4度目の大舞台をしっかり見据えている。

山田拓朗

山田拓朗Takuro Yamada

1991年4月12日、兵庫県生まれ。3歳で水泳を始め、日本選手史上最年少の13歳でアテネパラリンピックに出場。北京大会、ロンドン大会に出場し、リオデジャネイロ大会で4度目のパラリンピックとなる。現在はNTTドコモに勤務。

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