“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
U-16代表が目指す“長友佑都イズム”。
小さくても世界と戦う方法を考える。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2016/07/04 07:00
久保建英にもライバル心を燃やす中村敬斗。プリンスリーグ関東で三菱養和のFWとして活躍し、すでに結果も十分出している。
この大会をキッカケに、世界へと羽ばたく心を。
いくら代表の青いユニフォームに袖を通していると言っても、全員がまだ本物のサッカー選手になる入り口の扉に手をかけたに過ぎない。その扉は重く、すぐに閉まる。そして、入ったその先にもこれ以上に重い扉が幾重にも存在する。だからこそ、長友のようによりストイックに、より自らを研ぎ澄ましてプレーしていかないと、さらに先の景色を見ることは出来ない。
「よく『相手にボールを渡さなければ良い』と言いますが、あの圧力でボールを奪いに来る訳ですから。普段の日本の日常で、あのくらい迫力を持ってボールを奪いに行くような、奪い合うような中でやらないと、多分彼らは成長しないし、まともに戦えない。今回、彼らはそれを初体験したと思う。長友選手もその環境の中で努力をすることで、あそこまで戦えているわけだから」(森山監督)
マリ戦の後、宿泊先のホテルで選手たちはミーティングを行った。長時間にわたったミーティングで頭の中を整理した彼らが、これからどうセルフプロデュースしていくのか。この中から長友佑都のような『心技体』を持って、世界に羽ばたいていく選手が何人現れるのか。この大会でその楽しみがグッと増した。