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オコエ瑠偉と松井秀喜の共通点とは。
高卒ルーキーなら“フルスイング”! 

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNanae Suzuki

posted2016/06/24 07:00

オコエ瑠偉と松井秀喜の共通点とは。高卒ルーキーなら“フルスイング”!<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

日々、野球ノートをつけ、必死で一軍定着を目指すオコエは、高卒ルーキー1号目の本塁打を放った。

今永昇太からの初本塁打を生んだもの。

 オコエのその後の活躍は、ご存知の通りである。

 一軍に再昇格してスタメン起用された5月31日の阪神戦でいきなり2安打を放つと、翌6月1日の同カードでプロ初長打となる二塁打と初打点をマーク。6月12日の広島戦からは打順も1番に昇格し、18日のDeNA戦ではドラフト1位対決となったサウスポーの今永昇太投手から待望の初アーチも放った。

「強い打球を飛ばすことを心がけていた」

 試合後にはこう語ったオコエは、初回の第1打席で全てストレートで右飛に倒れたことから、「ストレート1本に絞っていた」と相手の配球を読んでフルスイングしたものだった。

 一軍の中に混じってもバットを振り切る意識を持ち続けることが、高卒ルーキー1番乗りのプロ1号につながったわけである。

思い切り振らずして、捉える感覚は養えない。

 オコエの本塁打から松井さんのルーキーイヤーのことに思いを巡らせたときに、もう1人、松井さんの言葉で思い出した選手がいる。

「あれだけ素晴らしい体をしているのに、構えが小さいのが気になるんだよね」

 3年前に巨人の宮崎キャンプを視察した後に、大田泰示外野手のバッティングの話になったときに、フッと松井さんがこんなことを呟いた。

 松井さんがプロに入ってきたときの体も高校生離れしていたが、大田も負けず劣らずの素晴らしい肉体を持ち、遠くに飛ばす才能は誰もが認めるものがあるはずだ。ところがプロ8年目を迎えた今季も、いまだにレギュラーどころか一軍定着もギリギリのラインというのが現状である。

「結果を求めてどんどん構えが小さくなって、スイングが合わせにいっている」という声は、松井さん以外からも聞こえてくる。

 思い切って振り切ることからしか、本当にボールを捉える感覚が養えないとすれば……いま大田に必要なのも、松井さんやオコエのように、結果を恐れぬフルスイングなのかもしれない。

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