サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
清武の覚醒を“首を長くして”待つ。
だって、キリンカップですから……。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/05/27 12:30
香川真司からの10番奪取を公言したビッグマウス、小林祐希。しかし攻撃的なMFは日本代表最大の激戦区だ。
浅野拓磨を「日本で数少ないゴールゲッター」と絶賛。
二宮「監督が特に目をかけているのが浅野ですね。『日本国内で背後に抜け出せる一番手の選手』、『日本で数少ないゴールゲッターで、大きな伸びしろがある』と会見でも、そのポテンシャルを絶賛していました。
『最終予選では1、2回の少ないチャンスでゴールを決めないといけない。どの国においてもゴールゲッターが違いを見せる。ゴールゲッターのいない国は高いところに行けない』と、ストライカーへのこだわりを口にしています。浅野は今季ケガで離脱した時期もあって、Jリーグでは1点しか決めていません。それでもA代表に呼んだということが、期待の大きさを物語っています」
デスク「浅野はジョーカーとしてテストの意味もあるのかな?」
二宮「もちろんあると思いますよ。2次予選はベタ引きしてくるチームが多かったですけど、最終予選になれば浅野のスピードが活きてくると思います。後半の勝負どころで、という場面を想定しているとは思います。今回呼ぶことで、最終予選に入る前に本田や香川たちとも連係面でしっかり合わせておくこともできますし」
全てのポジションに守備への貢献を要求。
デスク「二宮さんがほかに注目した選考のポイントは?」
二宮「監督が強調していたのが『守備』ですね。今回、これまでセンターバックで使ってきた槙野に『左サイドバックで競争してほしい』と。これまで藤春、太田らが名を連ねてきましたが、『守備のところをもっとやってほしい』と彼らのパフォーマンスにはまだまだ満足していないようです。
DFのサイドバックが守備力を求められるのは当然としても、MFやFWでも守備が選考のポイントでした。大島についても『アグレッシブさ、ボールを奪うところが伸びていた』と守備力の向上を選考理由の1つに挙げています。また逆に、3年連続得点王で現在も得点ランク日本人トップの大久保を招集していない理由については、『組み立てや守備にも参加しなくてはならない。いろいろと覚えてもらうには34歳、35歳では難しくなる』とコメントしています。守備でもタフに戦えるかどうか、組織のコマとして持続的にやれるかどうかというのを見ているのかなとは感じましたね。ただ小林祐希には『まだまだ守備で頑張るというところが足りない』とも話していて、20代前半の若い選手には直にメッセージを伝えてこれから意識づけをしていくということだと思いますけど」