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10点目を50m独走で決めた南野拓実。
U-23で培った裏への意識が結実!
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2016/05/12 17:00
ザルツブルクはオーストリア1部を3連覇。南野拓実にとって二桁得点は、ステップアップへの大きなアピールとなった。
南野の裏へ抜けるプレーがじわじわと。
「それまでは少し省エネ気味でやっていたというか、そういうチャンスが来るというのをなんとなく感じて待っていたので。しっかりと力を発揮できて良かったかなと思います。あれだけ時間があったので、蹴り込むだけでしたね」
ゴールシーンだけではなく、この試合の南野が繰り返した「相手DFラインの裏へぬけるプレー」はチームに大きな効果をもたらすことになった。
後がないグレーディヒは、試合のペースをかえりみず、序盤から激しくプレッシャーをかけてきていた。
さらに、ザルツブルクは大幅にメンバーを入れ替え、トップチームでの出場が少ない選手も多かったため、パスをつなごうとして奪われたり、相手のプレッシャーをおそれて最終ラインやキーパーにボールを下げてしまう場面が目立っていた。そして、そうしたプレーが相手に勢いをもたらしていた。
「下がればつなげると思うんですけど……」
そんななかで南野は、相手DFラインの裏のスペースへ飛び出す動きを繰り返していた。
ザルツブルクの最終ラインにいたミランダ、チャレター・ツァー、シュベグラーといったレギュラー組の選手たちはその動きを見逃さず、南野へ何度もパスを送っていた。パスの精度が低く決定的な場面には繋がっていなかったが、そうしたプレーはボディーブローのように相手にダメージを与えていたのだ。
南野自身は、その狙いをこう語る。
「僕がもう少し下がっていたらもっとつなげると思うんですけど、そういうプレーはあまりやるなと言われているので。それもあって前に張って、裏を狙って、そのセカンド(ボールも拾いに行く)という感じだったので。特に後半はそれを徹底したからこそ、相手の守備も間延びしたし、もっとやりやすくなりましたね」