Number ExBACK NUMBER
小野伸二が語る“運命を変えた一戦”。
「プロサッカー人生でピークは……」
posted2016/05/12 07:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Yoichi Nagano
18歳でのサッカー・ワールドカップ出場は、いまだに日本人最年少記録である。
小野伸二のサッカー人生は、日本サッカーの発展と軌道をほぼ同一にして、上昇曲線を描いていた時期がある。けがのために表舞台から一時、退くことはあったが、長らく日本サッカーの大黒柱の一人であり続けてきた。
『NumberPLUS(「スポーツノンフィクション2016 運命を変えた一戦。」5月12日発売)』の取材で、久しぶりに小野伸二に会った。天才フットボーラーの20年にわたるサッカー人生を振り返るとともに、小野伸二というアスリートの「運命を変えた一戦」を描き出す取材だ。
キャンプ地・沖縄と本拠地・北海道での二度にわたるロングインタビューで、小野伸二は自身のサッカー人生を振り返ってくれた。そして小野伸二と深いかかわりのある5人の関係者を取材してまわった。それは同時代に、サッカーを主な担当として雑誌『Number』を作っていた筆者にとっても、過去をさかのぼる旅になった。
18歳、レッズ加入間もない頃の天才少年。
小野伸二を初めて取材したのは、1998年2月下旬。浦和市(当時)の大原サッカー場に、浦和レッズ加入まもない天才少年を訪ねた。
とにかく明るい、が第一印象だった。20歳代半ばだった私も含めて取材スタッフが若かったせいか、小野はリラックスした雰囲気で、「フランス・ワールドカップ、出たいですよね」というようなコメントを発していた。
インタビュー後の撮影でも、芝生に寝転んだカメラマンを飛び越えるというリクエストに笑顔で応じてくれた。
その後、Jリーグ開幕戦での先発デビュー&フル出場、日本代表デビュー、フランスW杯出場、と小野伸二は急カーブを描くように世界レベルの選手へと成長していった。翌1999年春、ナイジェリアでのワールドユース準優勝は、ひとつのピークだろう。