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熊本出身ゴルファーが活躍中!
今だからこそ支援のあり方を考える。 

text by

桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byKyodo News

posted2016/05/08 08:00

熊本出身ゴルファーが活躍中!今だからこそ支援のあり方を考える。<Number Web> photograph by Kyodo News

東建ホームメイトカップ決勝1日目となる4月16日、チャリティサイン会で募金を呼びかける永野竜太郎(右)と重永亜斗夢(左)。

チャリティが必要なのは天災時だけではない。

 言うまでもなく、チャリティを必要としている人々は大規模な天災時だけに限らない。少額であれ、お金に関わらない直接的な支援であれ、常日頃からこういった社会貢献活動に寄り添うことで、多くの人が外の世界に敏感になる。

 せっかくの善意に二の足を踏ませては勿体ない。信頼できるチャリティ先を選手やスポンサーに常日頃から情報提供し、教育すること。それはツアーやゴルフ団体の「できること」のひとつにもなりそうだ。

永野と重永の凛とした活躍ぶり。

 社会貢献活動と選手、ツアーとのあり方はどう模索すべきか。今回こんなことを思ったのも、震災直後の永野と重永の活躍ぶりに驚かされたからである。

 東建ホームメイトカップで優勝争いに加わり、翌週以降の2試合も4日間を戦い抜いて賞金ランキングで現在、永野は5位、重永は17位にいる。両者ともキャリアのベストシーズンだった昨年のランクはそれぞれ22位、46位だった。

 好調な滑り出しの理由が、彼らの才能がいよいよ開花し始めたからか、それとも故郷への悲痛で勇敢な思いに駆られたからかは、まだ判断できないでいる。

 ふたりは「熊本のために頑張りたい」と連日口にし、いずれも本調子とはいえない中で好成績を残して「いつもだったら、弱い自分が出てくるところ」、「不思議な力が働いてくれた」と続ける。

 自分ではない誰かのために、懸命に仕事をこなすことは、結局自らのパフォーマンスにおいても言い知れない力になると思うのだ。悲しみに打ちひしがれてなお、プロアスリートの本分を自覚したような彼らの凛とした姿が、いまも忘れられないでいる。

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