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ACLのホーム戦で韓国勢相手に完敗。
戦術変えず負け続けるJクラブの問題。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byToshiya Kondo
posted2016/04/22 17:00
FC東京は、グループリーグ最終節のビン・ズオン戦(5月4日・ベトナム)に勝てば自力でのグループリーグ突破となる。
負けたガンバの選手も、敗因をハッキリ自覚する。
一方、ガンバの丹羽大輝は「韓国の選手があれだけ強くプレッシャーをかけてくるなかで、1対1で負け続けたら勝負にならないということ。負けたとしてもカバーリングをしっかりしなければならなかった」とゲームを振り返っている。1-2の結果が表す通り、ソ監督の戦略にはめられたのだった。
ちなみに宇佐美貴史は、PKを2度続けてGKノ・ドンゴンにストップされている。韓国メディアはノを称賛していた。
最初のPKをストップした後、「GKが先に動いた」との判定を下され、蹴り直し。再び宇佐美が蹴ったキックも止めたシーンをこう振り返った。
「僕としてはビリっとした喜びを感じるシーンでした。相手は(一度ストップされた後)『もう一回チャンスが来た』と喜んでいると思ったら、そうではなかった。深刻な顔をしていた。心理的なプレッシャーを感じているんだな、と悟った」
徹底的にFC東京に対応した、全北の作戦勝ち。
翌日、FC東京は全北に0-3の敗戦を喫した。
35分、60分、91分に失点。
FC東京のハ・デソンも「非常に悔しい。自分がもっと攻撃をコントロールできていれば」と唇を噛んだ。勝てばノックアウトステージへの進出が決まったが、江蘇蘇寧、全北との争いは5月4日のアウェーでの最終節(対ビン・ズオン/ベトナム)まで決着が持ち込まれることになった。
試合後、会見に臨んだ全北のチェ・ガンヒ監督は、水原のソ・ジョンウォンよりも積極的だった。開口一番、“東京対策”を口にしたのだ。
「今日は、ボールポゼッションは最初からある程度諦めた。相手のサイドを起点にしたパスワークをケアしたかった。スペースを与えないようにし、スルーパスを通させないことを考えた。そのために、割り切って守備ラインを下げ、ゾーンディフェンスを徹底することを指示しようと思った」
さらにこちらから「そういった対策をもって臨んだ、相手チームFC東京の実際の印象は?」と聞いた。チェは詳細を口にした。
「相手の主将(森重)が出場しなかったことが我々にとって幸運だった。もしいたら、カウンターからゴールを挙げることも難しくなっていたと思う。我々のチームがもし欲を見せていたら、守備ラインが上がっただろう。でもそうしていたら、38番(東)、48番(水沼)、そして後半にピッチに入った44番(阿部)にサイドをかき回されていたと思う。彼らは、鋭いプレーができる選手たち。我々がふだんと違う形をとったからこそ、勝てたと思っている」