野球のぼせもんBACK NUMBER
常勝ホークスの柱となる正捕手を!
工藤公康は第二の城島を育成できるか。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/04/13 11:00
楽天との開幕戦、攝津とバッテリーを組んだが3回までに6失点した斐紹。負けを教訓に成長が期待される。
攝津と和田と組んだ5試合は勝てていないが……。
歴史は繰り返される。
3月26日、開幕戦に敗れた翌日の夜。仙台の宿舎の工藤監督の部屋に斐紹はいた。
斐紹は言う。
「監督から城島さんの名前が出たこともあります。ダイエー時代の話は以前から知っていました。和田さんからは仙台で食事に誘ってもらい2人で出かけました。とにかく、頑張らなアカンです」
4月12日のライオンズ戦で和田とバッテリーを組み勝利に貢献も、先発マスク6試合目でようやく初勝利(1勝4敗1分)。それはホークス開幕ダッシュ失敗の一因であり、攝津は二軍降格となってしまった。ここまでは、打たれ出すと速球系に配球が偏り緩急が使えなくなるところを痛打される傾向が見られる。
「誰もが通る道。どんなことだって、急に上手くなることはない。そうやって這い上がることが彼の成長につながる」(工藤監督)
斐紹に注文したいこと。
また、清水将海バッテリーコーチは、自身もロッテ時代に新人開幕マスクを経験しており、当時を振り返りながら斐紹へ奮起を促す。
「大変なことだけど、年上のピッチャー相手でも自信をもってリードすること。そのためには普段のコミュニケーション。自分からどんどんアタックしないと。僕の頃は小宮山(悟)さんや黒木(知宏)さんがエース。それぞれと2人きりで食事には何度も行きました。初めは野球と関係ない話をしていても、だんだん熱くなるんです。何時間も野球について語り合ったこともあります。仙台では和田が誘ってくれたみたいですが、斐紹には自分の方からどんどんアタックしてほしい」
斐紹。これからのホークスを背負って立つ存在となる選手だ。
ならば、ひとつ注文がある。「あの選手、何て読むの?」とよく訊かれる。確かに、普通は読めない。プロなのだから名前は覚えてもらいやすい方がいい。ならば、登録名は平仮名で「あやつぐ」とするのは、いかが? カタカナよりもバランスがいい!
一笑するなかれ。かつてスワローズの秦真司(現ジャイアンツ3軍バッテリーコーチ)が「はた」と表記していた実績がきちんとありますから。