ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
3カ月ぶりのゴールは、収穫も3つ!
香川真司はドルトの「中心」になる。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2016/03/15 10:50
ブンデスでほぼ2位以上を確定させたうえでバイエルンを追うドルトムント。香川の攻撃力は絶対に必要とされている。
香川「チャンスはくれているので」
メンバー外となったバイエルン戦をへて、トッテナムとの試合では試合終了間際の8分間だけのプレーに終わったあと、香川は凛とした表情を浮かべ『刺激』というキーワードを口にした。
「内容も良い試合ができたと思うので。すごく『刺激』になりました」
その上で、こうも力強く宣言していた。
「(監督が)チャンスはくれているので、自分なりにピッチで証明していくしかないですね。試合展開によってどんどんフォーメーションも変わるけど、順応していかなきゃいけない」
マインツ戦での得点は、そんな状況での一発だった。この日香川は、トップ下の位置で先発し、フル出場している。
反発は問題外、しかし沈黙も同時に悪である。
香川にとって、この試合の収穫は大きくわけて3つある。
1つ目は、監督の指示を踏まえたうえで、攻撃が上手く機能するためにきちんと意見交換できたこと。監督に反旗を翻すのは問題外。ただ同時にこの国では、沈黙は悪となる。
「ハーフタイムには(監督と)一対一で、『こういう動きをしたらもっと良くなるんじゃないかな』という話をしました」
そう明かした香川は、監督からの要求についても教えてくれた。
「相手のダブルボランチの両脇……例えば自分が右にいたら相手の外側でボールを受ければ、右のミキ(ムヒタリアン)と2対1を作れたりする。そういうシチュエーションを映像で見ながら、『こういうときにここに入っていけたら、こういうプレーが出来るんじゃないか』と話したり」
自身の考えを伝え、試合で実践した。
「試合展開によって、自分の動き出しとかを変えていけたらいいなと思っていたので。後半は相手のペースも落ちて、あまり動かずに受けようと意識はしていました。そういうのは、もっと自分で判断してやっていきたいと思っています」