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カナダのバスケット史上最高の一日。
ナッシュとカーターが起こした連鎖。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2016/02/28 10:40
トロントでのオールスターゲームに登場したスティーブ・ナッシュ。彼の登場に、会場は大歓声に包まれた。
「ビンスとナッシュは誰よりも身近に感じる存在」
ニック・スタウスカス(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)は、子供のころに好きだったのはアレン・アイバーソンとレブロン・ジェームズだったが、カーターとナッシュはお気に入りの選手とはまた別の、特別な存在だったという。
「ビンス(カーター)とスティーブ・ナッシュは、誰よりも身近に感じる存在だった。試合を観に行って彼らを見ることで、夢見て、目標とすることができた」とスタウスカスは言う。
NBAレベルの選手が育つことで、代表チームも世界の中で戦えるようになってきた。2010年のU17世界選手権では、ウィギンズやアンソニー・ベネット(トロント・ラプターズ)らが出場し、世界3位の成績を残している。
カナダのバスケットボール史上最高の一日。
去年のFIBAアメリカ大陸予選に出場したカナダ代表は、GMがナッシュで、ロースター12人のうち8人(ウィギンズ、スタウスカス、ベネット、コーリー・ジョセフ[ラプターズ]、ケリー・オリニク[ボストン・セルティックス]、アンドリュー・ニコルセン[オーランド・マジック]、ロバート・サクレ[ロサンゼルス・レイカーズ]、ドワイト・パウエル[ダラス・マーベリックス])が26歳以下のNBA選手という構成。
準決勝でベネズエラに惜しくも1点差で敗れて3位となったが、今年夏のオリンピック最終予選の出場権を獲得している。2020年の東京五輪の頃には、アメリカにとって一番の強敵になると言われるほど才能ある選手が揃ったチームであることは間違いない。
この20年で、カナダのバスケットボールは大きく前進した。そして、今回トロントで開催されたNBAオールスターの熱狂が、さらに新しい世代を育てることになるだろう。
オールスター中に、ナッシュは言っていた。
「カナダでNBAのオールスター・ゲームを行なうなんて、僕が子供の頃はもちろん、5年か10年ぐらい前に聞かれたとしても実現するとは思ってもいなかった。カナダのバスケットボール史上でもすばらしい一日となった。私たちの国でバスケットボールがそれだけ発展してきたという証だと思う」