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3度の怪我を乗り越え、現在絶好調。
岩渕真奈「普通にはなりたくない」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byItaru Chiba
posted2016/02/26 10:30
18歳でワールドカップデビューした岩渕もいまや22歳。なでしこの切り込み隊長の座は譲れない。
「海外にいたら案外自分っぽい選手っていない」
結局岩渕は、'17年夏までの2年契約を結ぶことになった。そして、バイエルンでの日々は気に入っている。
「海外にいたら案外自分っぽい選手っていなくて。日本人って気も使えるし。自分で言うのもアレですけど(笑)。そういう部分で評価してもらってるのかなって思います」
トマス・ヴェーレ監督との距離感も近く、評価を受けていることを実感できている。
「監督がインタビューを受けているのを横で笑いながら聞いてたりするんですけど、頭が良いとか、最後のパスも出せるし、シュートもできるし、仕掛けられるしって言ってくれてるんです」
基本的なポジションは3-5-2のトップ下。代表のイメージが強く、サイドの選手だと思いがちだが、バイエルンではいわゆる10番的なポジションを任せられている。ボールを受ける回数が多く、1対1の場面も多く、もちろんシュートチャンスも多いこのポジション、実は岩渕が一番好きなポジションだと言う。
「ドイツではサイドは守備もできる人じゃないとだめだから、絶対それでウチのサイドはないんです。練習でウチがサイドにされたことがあって、『マナのサイドはないでしょ』ってみんなが言って、次の日の試合で真ん中に戻ってたこともあります。監督もチームメイトも、わかってくれてるんですよね。でも、一番好きなトップ下をやらせてもらってて楽しいんですけど、もう少し点を取れるようにと思ってます」
リオ五輪には何がなんでも出場しなくては。
女子ブンデスリーガで2連覇へと突き進むチームに、ようやく合流を果たしたばかりだが、わずか2試合でリオ五輪最終予選前の合宿のため、日本に一時帰国する。あと1週すればリーグも中断に入るのだがそれを待たずに、代表に合流する。
「こっちで1試合出れないですけど、まあ仕方がない。代表には呼ばれたいし」
複雑な心境ではある。だがなによりも、今はサッカーができる喜びに満ちている。そして、リオ五輪には何がなんでも出場しなくてはと思っている。