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デビュー最短、最速でGIレコード勝ち。
モーニンはダート世代交代の旗手か。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2016/02/22 11:20
これで7戦6勝。武蔵野Sで敗れたノンコノユメに雪辱を果たし、モーニンがダート最強馬に名乗りをあげた。
モーニンはアメリカでもいい勝負になるのでは?
だからといって、いいことばかりではない。土なので、水を含むと泥状になる。西海岸は雨が少ないのでそれでもいいのだが、それなりに降水量のあるほかの地域では、田んぼのような馬場でレースが行われることもある。
それでも大丈夫なのは、アメリカでは馬場状態が合わないと見るや、レース直前にスクラッチ(出走取消)することが認められているからで、そうする馬が実に多い。日本でそんなことをしたら、馬券購入に熱心なファンが黙っていない。土のダートは、馬券に対してルーズなところのあるアメリカだから導入可能な馬場なのである。
しかし、日本の力のいるダートでも、こうした道悪になるとアメリカの強豪に伍せるのではないかと思える時計が出るようになった。
モーニンは、アメリカで生まれた外国産馬だ。4着に来たベストウォーリアもそうだ。
アメリカ血統向きの馬場状態だった、と言えるのと同時に、今回の上位馬ならアメリカのビッグレースに行っても面白い、とも言えるのではないか。
デビュー282日でのダートGI制覇。世代交代なのか?
GI初参戦で勝利を挙げたモーニンは、デビュー282日、7戦目という、ダートGIの史上最速、最短制覇記録を樹立した。
去年このレースが行われたときはまだデビューもしていなかったのに、歴戦の古豪を一蹴してしまった。
この馬も、2着のノンコノユメも4歳。3着のアスカノロマンが5歳。平地GIでは初めてとなる3連覇を狙った6歳のコパノリッキーは、武豊がスタート直後からおっつけて行くも、スピードに乗り切れず、7着に終わった。この結果をもって、世代交代がなされたと見ていいのだろうか。
いや、ここには、コパノリッキーと同じ6歳で、昨年の東京大賞典を勝ったサウンドトゥルーも、ドバイワールドカップに向かう7歳馬ホッコータルマエも出ていなかった。コパノリッキーだって、特に、より時計のかかる地方のダートでは、本来の力強い走りをまた見せてくれるかもしれない。世代間闘争は、これからもつづきそうだ。