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侍ジャパン最大の課題は小久保監督?
3月の強化試合は「采配」に注目。
posted2016/02/19 10:40
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
プレミア12の敗北から4カ月、そして世界一奪回を目指す第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)まであと1年。小久保裕紀監督率いる侍ジャパンの台湾との強化試合が、3月5日(ナゴヤドーム)と6日(京セラドーム)、開催される。
2月15日に発表された代表メンバーは、直前に則本昂大、松井裕樹両投手(ともに楽天)が出場辞退。大谷翔平投手(日本ハム)と藤浪晋太郎投手(阪神)の若い両リーグのエースも欠場し、話題の一人だった創価大学の田中正義投手も調整不足を理由にメンバーに名前を連ねることはできなかった。
ただ、考えてみれば2試合なので先発投手は2人で十分。そのポジションには菅野智之(巨人)、大野雄大(中日)、小川泰弘(ヤクルト)、武田翔太(ソフトバンク)、西勇輝(オリックス)らの名前が揃っている。
創価大の田中もこのオフのドラフトの目玉候補で不参加は残念といえば残念ではあるが、もしプロ入りすれば来年3月のWBCはプロ1年目のシーズン直前で、代表メンバー入りする可能性は限りなくゼロに近い。ならばムリをしてまで、今回の代表メンバーに加える必然性はなかった選手だ。
一方、打者については柳田悠岐外野手(ソフトバンク)がいないのはマイナス要素だが、昨年のプレミア12で外れた菊池涼介内野手(広島)が再招集され、ほぼベストに近いメンバーが揃っている。
その点では来年のWBCをにらみ、本番に近い選手起用、戦いができる布陣が揃っての2試合ということができそうである。
2番打者のチョイス、そして中継ぎのテスト。
もちろんやるべきことはいっぱいある。
例えば2番打者に関してみれば、プレミア12では打ってつなげる2番として坂本勇人内野手(巨人)をほぼ固定して使ったが、同じ打ってつなぐなら川端慎吾内野手(ヤクルト)という選択肢を試す必要もあるだろう。バントを多用して確実に得点圏に走者を進めるなら菊池の2番という選択肢も捨て難い。
また、中継ぎのスペシャリストとして初招集した秋吉亮投手(ヤクルト)や中継ぎ経験のある大瀬良大地投手(広島)をあえて走者を置いた回の途中から使うなど、危機管理テストもトライしなければならないはずだ。