フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
全米選手権で劇的な逆転女王に!
華麗に復活したG・ゴールド。
posted2016/01/28 11:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
AP/AFLO
ミネソタ州ミネアポリスで開催されていた全米選手権は、1月24日に無事終了。女子はなんともドラマチックな戦いだった。
今シーズンの世界選手権は、3月にボストンで開催される。米国で開催されるのは、2009年のロサンゼルス以来、7年ぶりのことだ。
米国の女子が世界選手権の表彰台に上がったのは、2006年に優勝したキミー・マイズナーと3位だったサーシャ・コーエンが最後である。
かつてドロシー・ハミル、クリスティ・ヤマグチ、タラ・リピンスキー、サラ・ヒューズなど多くの五輪チャンピオン、またナンシー・ケリガンやミシェル・クワンなど大スターを輩出してきたスケート大国としては、弱体化したといわれても仕方のない現状である。現在の米国で、フィギュアスケート人気が低迷している理由も、やはり女子にスターがいないという理由がもっとも大きいのだろう。
全米でSP1位となっていた17歳のエドモンズ。
全米選手権ではタイトル保持者であるアシュリー・ワグナーと、グレイシー・ゴールドの戦いに焦点がおかれていた。
ところがSPでトップに立ったのは、17歳のポリーナ・エドモンズだった。
ロシア生まれの母からスケートを学んだエドモンズは、15歳でソチ五輪代表に選ばれ、昨シーズンは四大陸選手権で優勝した注目の若手の一人である。SPでワグナーもゴールドもジャンプミスが出た中、3ルッツ+3トウループのコンビを含むノーミスの演技を滑りきってトップに立った。
「今シーズンは私の飛躍の年。全米タイトルを獲得して、ボストン行きの切符を手にしたい」と強気のコメントをした。
2位はルッツを1回転にしてしまったゴールド、3位は新人のタイラー・ピアース、4位は転倒のあったワグナーという順位で、エドモンズが70.19で大きくリード、2位から4位の3人は全員62点台で点差わずかという状態でフリーとなった。