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5年ぶり100%の内山と、因縁の井岡。
大晦日の常連2人に望む完璧な勝利。 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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posted2015/12/31 10:30

5年ぶり100%の内山と、因縁の井岡。大晦日の常連2人に望む完璧な勝利。<Number Web> photograph by Getty Images

5月の10度目の防衛戦はなんと2RKOで決めた内山高志。具志堅用高の不滅の記録は破られるか。

米進出、そして具志堅の記録に王手をかけるか。

 内山のミットを持ち続けている佐々木修平トレーナーは「今までいつもすごいと思っていましたけど、今回は本当にヤバイですよ」と声をひそめるようにして話した。挑戦者オリバー・フローレス(ニカラグア)は27勝17KO1敗2分のサウスポー。なかなかの戦績で「上体が柔らかくパンチを外すのはうまい」(佐々木トレーナー)ということだが、おそらく今の内山の敵ではない。高い確率で圧倒的な勝利が期待できるだろう。

 この試合でV11を達成すれば、2016年はキャリアの集大成とも言えるステージが待っている。既に報道されているようにアメリカ進出が濃厚で、対戦相手には米国でも評価の高い無敗の前WBA世界フェザー級スーパー王者、ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)の名前が挙がっている。

 そしてウォータースとの試合でV12を達成すれば、次はいよいよ13度目の防衛戦。かの具志堅用高氏が1980年に打ちたて、破られることは決してないだろうと思われた国内連続防衛記録のV13に、36年ぶりに肩を並べる一戦を迎えるのだ。

 海外でのビッグマッチも、具志堅氏の記録も、ともに「モチベーションになっている」という内山。レジェンドの領域が見えてきた36歳のパフォーマンスは、ボクシングに興味がない人たちにも「一見の価値あり」とお勧めしたい。

井岡は因縁のレベコと再戦。前回は接戦。

 WBA世界フライ級王座の2度目の防衛戦に臨む井岡は、因縁の再戦を迎えた。相手はフアン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)。レベコと井岡は今年4月に対戦して、井岡が2-0判定勝ちを収めた。スコアは114-114、116-113、115-113と競っていたこともあり、レベコ側が採点に抗議。今回のリマッチにいたったという経緯がある。

 前回の対戦はレベコが前に出て、これを井岡がさばくという展開だった。前に出て手数を出しているレベコが採点に不満を感じる気持ちも理解できないではないが、試合をコントロールしていたのは井岡であり、特に違和感を感じる採点ではなかった。とはいえ強いて言うならば、井岡が慎重になりすぎ、やや消極的に見えた部分は確かにあった。

 元世界チャンピオンの井岡弘樹氏(現西日本ボクシング協会会長)を叔父に持ち、アマチュアのトップ選手としてプロデビューした井岡は、7戦目で世界タイトルを獲得するなど順調にエリート街道を歩んできた。しかし3階級制覇をかけて挑んだ昨年5月のIBF世界フライ級タイトルマッチで、王者アムナット・ルエンロエン(タイ)にキャリア初の敗北。2度目の3階級制覇挑戦となった前回のレベコ戦は、確実に勝利を手にするためにも慎重にならざるを得なかったのである。

【次ページ】 超激戦区のフライ級で存在感を示せるか。

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