オリンピックへの道BACK NUMBER
豪華な経歴と「本物」の負けず嫌い。
バドミントン界のエース・桃田賢斗。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKyodo News
posted2015/12/12 10:40
昨年の決勝で敗れた佐々木翔(トナミ運輸)をストレートで破っての優勝。フィジカル面の成長を見せた。
世界一までの少しの距離をどう詰めるのか。
世界の上位の一人となり、そして今、日本一のタイトルも手にいれた。
成績が上がるにつれ、目標も変わってきた。社会人になった頃は、こう語っていた。
「今はオリンピックと言われてもそんなに……」
控えめに感じる言葉の真意を説明した。
「オリンピックで金メダル、なんて言えない。実力が伴わなければ口だけな感じじゃないですか」
今は、こう語る。
「金メダルを目指す気持ちでやっていきます」
自身の実力に、手ごたえを得られるところまでレベルが上がったことを意味する。
世界選手権準決勝で、189cmの長身を誇る世界ランキング1位のチェンロン(中国)に完敗したように、世界一まではまだ少し距離がある。
その差を埋めるために、来年のリオデジャネイロ五輪へ向けて、桃田は再び考え抜き、工夫を凝らすはずだ。
その成果が、大舞台でどう現れるか。
桃田がメダルを手にすれば、それは日本男子史上初のメダルとなる。