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元迷監督ラニエリがレスターを修理。
バーディーの11戦連続弾もお手柄? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2015/12/05 10:30

元迷監督ラニエリがレスターを修理。バーディーの11戦連続弾もお手柄?<Number Web> photograph by AFLO

代表歴はおろか、数年前までプロですらなかった男の大躍進。バーディーはどこまで走り続けるのだろうか。

バーディーは、個人技で点を取るタイプではない。

 ただし、瞬時に相手DFを置き去りにする加速力を持ち、シュートの精度が高まってもいるバーディーも、無から有を生むほどの個人技を持ち併せてはいない。つまり、サポートが必要なストライカーということになるが、その補佐役が右アウトサイドに定着しているリヤド・マフレズだ。ドリブル成功率は14節終了時点でプレミア最高。チーム内トップのリーグ戦6アシストをこなし、自らチーム2位の7得点も上げているマフレズは、首位も経験した前半戦におけるレスターの最優秀選手だと言ってもよい。

 そのマフレズも昨季のピアソンは使いあぐねていた。前述したターニングポイントの4試合でも先発起用は1度だけ。それも前半45分だけで出番は終わっている。その点、先発レギュラーである上に、インサイドに切れ込んでゴールを狙う自由も与えられている今季は、既にゴールとアシストの双方で昨季終了時点の数字を上回っている。そして、全く同じことが逆サイドから4アシストをこなしている、マーク・オルブライトンにも言える状態だ。

「迷監督」ラニエリの意外なサクセスストーリー。

 彼らアウトサイドの両名が心置きなく攻め上がれるのは、中盤に守備面のハードワークを全うできるチームメイトがいるからこそ。そして、ここにも意外なラニエリの手柄がある。というのも、レスターは昨季の中盤の支柱だったエステバン・カンビアッソ(現オリンピアコス)を失っていたからだ。ベテランMFとの新契約交渉失敗は、新監督が犯した最初のミスだと言われてもいた。

 そこでラニエリは、昨季後半に定着した3バックから4バックへと後方の基本形を変えると共に、中盤の底でカンビアッソが放っていた存在感を、センターハーフ2名の躍動感で置き換える策を取った。

 2ボランチの担い手は、ダニー・ドリンクウォーターとエンゴロ・カンテ。ドリンクウォーターは、昨季のベンチ要員から中盤のエネルギー源へと変身し、新戦力のカンテは開幕14戦でリーグ最高の「4.3」という平均インターセプト回数を記録している。

 このように、ラニエリが意外にも程好く手を加えた今季のレスターは、エネルギッシュかつスピーディーなカウンターという得意技の使い手となり、新監督から必殺パターンのフィニッシュ担当として目をつけられたバーディーという快足ストライカーが、ゴールと観衆の目を奪い続けることになった。

 つい3年半前までセミプロの選手だった28歳のシンデレラストーリーは、ハリウッドで映画化される話もあるという。だが、そのバーディー主役のストーリー展開に一役買った64歳の元「迷監督」、ラニエリのプレミア復帰1年目も前半から意外性に富んだサクセスストーリーが展開されている。もちろん、タイトルは『Really?』で決まりだ。

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