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アビスパは過去の3位とここが違う!
井原監督と選手の“共通意識”とは。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/11/30 12:10
リーグ最終盤の12戦で無敗、8連勝の勢いでプレーオフに臨んだ福岡。このままJ1昇格まで突っ走るか!?
昨季は16位、監督は未経験の井原正巳。
昨季はプレーオフ圏内から大きく外れる16位に沈み、今季は新監督に、監督業初挑戦となる井原正巳を招く――。スタートからして、紛れもないチャレンジャーだった。
序盤戦は試行錯誤を繰り返したが、守備戦術が浸透し、夏のウェリントン獲得で陣容が定まると、じわりじわりと順位を上げる。それとともに地元福岡で昇格への機運も高まるなかで手に入れた3位の座、プレーオフ進出だった。
最後は8連勝でレギュラーシーズンを締めくくったが、そこに慢心はない、と強調したのは、キャプテンの城後寿である。
「勝っても監督が課題を突きつけてきて、もっとやらないといけない、そうしないと上にはいけないという思いで取り組んできた結果、勝利が続いている。監督は謙虚な方ですし、僕らも謙虚にやってきた。それが連勝につながっていると思います」
ジンクスを覆してきた経験が生む自信。
一方で、福岡の生え抜き選手として2度のJ1昇格とJ2降格を味わった男は、プレーオフにおける自信の拠りどころのひとつに、自分たちが覆してきた“ジンクス”の存在を挙げた。
「今年はこれまで勝てなかったアウェーでの京都戦や大分戦に勝つことができて、“ジンクス”を覆してきた。だから監督からも、(3位が結果を残せていないことについて)とらわれる必要はない、という話があったし、受け身に回るとやられるぞ、とも言われていたので、引き分けのアドバンテージは意識せず、勝つことしか考えていなかったですね」
湘南ベルマーレから期限付き移籍で加入し、両サイドのウイングバックをこなした亀川諒史は、プレーオフ経験の有無について触れた。
「長崎は2年前にこの舞台を経験しているから、戦い方を分かっていたのかもしれないですけど、自分たちは初めてなのでトーナメント戦とはとらえず、リーグ戦が2試合延びたという感覚で、いつも通り勝ちに行こう、という話をしていたんです」