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男子に続き女子もリオ五輪の切符を!
7人制ラグビー、決戦は28日中国戦。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byShuhei Fujita
posted2015/11/27 10:00
決戦に挑むサクラセブンズ。左から、桑井亜乃、山口真理恵、横尾千里、中村知春、小出深冬、大黒田裕芽、冨田真紀子。
高速展開の日本、体格を生かす中国。
< 日本 >
高速展開
ボールを大きく動かすワイドアタック
豊かな運動量(フィットネス)による後半勝負
< 中国 >
大きな体格、力強さを生かした激しいブレイクダウン
高身長を生かしたキックオフ・ボールの確保
リードしてからの遅攻
香港大会では、日本は中国に5マイナス12で敗れているが、日本代表の浅見敬子ヘッドコーチは、「中国は思いっきり体をぶつけてきた。ブレイクダウンにかなり勝負をかけてきた」と振り返っており、日本がどういった戦略を準備しているかが気になるところ。
セブンズは1日の中での消耗がかなり激しいが、お互い朝の第1戦ということで最高の状態での「ガチンコ」が見られるはずだ。
この試合をうまく乗り切れば、プール戦最終戦のカザフスタン戦まで、選手を入れ替えながら安定した戦いが出来る見込み。
万能性が求められるとはいえ、役割はある。
セブンズは人数が少ないわけで、それぞれの選手に「オルターナティブ」(交換可能)な能力が求められる。
パスさばき、ラン、パスキャッチなどあらゆる技術が大切だが、大まかな役割はある。
BKの山口真理恵は50m6秒6の俊足を生かしたフィニッシャー。大きなスペースがあれば、走り切れる能力を持つ。
また、紺のヘッドキャップがトレードマークの小出深冬は、小刻みなステップでのラインブレイクが特徴だ。
FWでは桑井亜乃がたくましいジャッカル(相手ボールを奪う)を見せ、香港大会では竹内亜弥がキックオフのボール確保や、ラインブレイクが目立った。
試合中、ひと際大きな存在感を放っているのは主将の中村知春で、あらゆる局面のプレーに絡み、リーダーシップも抜群。
「他の競技の選手たちから、オリンピック予選は何があるか分からないと聞いていましたが、香港大会でそれを実感しました。東京では、優勝してオリンピックを決めます」と意気込む。
サクラセブンズよ、秋の秩父宮で桜を咲かせてくれ。