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0周リタイアでもアロンソは満足!?
メキシコGPで観客が起こした“奇跡”。

posted2015/11/08 10:40

 
0周リタイアでもアロンソは満足!?メキシコGPで観客が起こした“奇跡”。<Number Web> photograph by Getty Images

決勝前、13万人を超える観客の前でドライバーズパレードに参加したアロンソ。

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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Getty Images

「僕の人生で最高の表彰台だった」

 メキシコGPで今シーズン4勝目を挙げたニコ・ロズベルグの、自らのレースを評価した言葉ではない。23年ぶりに復活したメキシコGPを盛り上げたファンへの賛辞である。

「スタンドを埋め尽くした大勢の観客が自分の名前を呼んでくれたんだ……。まるで自分がステージ上のロックスターになった気分だった。あんな経験は初めてだよ」

 優勝した余韻がすべての光景を美しく見せたのではないことは、ロズベルグに敗れて2位でフィニッシュしたルイス・ハミルトンのコメントからもうかがえる。

「この週末は本当に忘れることができない素晴らしい1週間だった。メキシコの観衆がモータースポーツをこよなく愛し、そして情熱を傾けていることを肌で感じることができたからね。いままで見てきたファンの中で最高だよ。F1が開催されるほかの国も、メキシコに負けないように頑張らないといけない」

 表彰台に上がったドライバーたちだけではない。レース前に行なうファンサービスのひとつである「ドライバーズパレード」に参加したドライバーたちも、アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスのスタンドを埋め尽くしたファンの熱狂ぶりに大きな感銘を受けていた。

「メキシコGPはこれまで新しく開催されたグランプリや久しぶりに復活したグランプリの中で、間違いなく最高のイベントだった。最終コーナー手前にあるスタジアムは素晴らしかったし、ファンは印象的だった。いつも新しい場所に行くのを楽しみにしているけど、今回は格別だった。ドライバーズパレードでは思わず鳥肌が立ったよ。多くのファンがエキサイティングに僕たちを応援してくれたんだ」(リカルド/レッドブル)

リタイア確実のアロンソがスタートした理由。

 同じスペイン語を話すメキシコは、スペイン人にとって第2の母国。フェルナンド・アロンソはそんなアミーゴたちに、最大限の敬意を払った。

「じつは土曜日の夜に、パワーユニットの一部であるMGU-Hに問題があることが判明。残念ながら日曜日の午前中にそれが回復しないと判断された。レース前までに交換する時間はなかったので、そのまま出ればリタイアすることは確実だった。だから、僕たちにはレースをしないという選択肢もあった。でも僕はチームと話し合い、レースに出ることを選んだ。それはデータを収集することが目的ではなく、メキシコの素晴らしいファンに敬意を払うためだ。僕はどうしてもスタンドを埋め尽くした満員のファンの前でスターティンググリッドに着き、そしてレースをスタートさせたかった」

【次ページ】 アロンソ「今シーズンで最高の観客だった」

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