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ガンバ大阪、残る2冠を得るために。
遠藤「残り試合全部勝ちますよ」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/11/03 10:40
今季J1出場500試合を達成した遠藤保仁。チームを支えるキャプテンとして、この敗戦を糧にチームを成長させられるか。
遠藤「残り試合全部勝ちますよ」
チャンピオンになるために必要なもの。百戦錬磨の遠藤なら十分わかっていることだが、相手に見せ付けられることで再認識することもある。
相手を分析し、選手個々がやるべき仕事をしっかりこなす。「勝ちたい」気持ちを前面に出してファイトする。ここ数年、遠藤はよく「気持ち」の重要性を説くが、勝ちたい気持ちが出てくれば相手よりも一歩前にいけるし、球際も厳しくいける。小さな局面での勝ちを積み重ね、相手をひとつひとつ上回ることでチーム全体として優位に試合を展開することができる。鹿島はそれを90分、やりつづけた。
試合後、ピッチで遠藤はコーチの大岩剛や柳沢敦らと話をし、鹿島の強さとチーム作りを称賛した。チームをより強くし、多くのタイトルを獲れるビッグクラブにしたいという思いを持つ遠藤にとって、17冠を持つ鹿島はお手本とすべきチームだった。
「今シーズン、これだけいいチャレンジをしてきて、来シーズンACLに出れないのはさびしい。なんとしても出場権を獲らないといけないんで、残り試合全部勝ちますよ」
遠藤は、そう誓った。
もう一度、チームを建て直す。そうしてチャンピオンシップと天皇杯の2つのタイトルを獲る。この敗戦がチームをさらに一皮むけさせるためのキッカケとなり、良薬になればいい。惨敗でも遠藤の表情が心なしか穏やかに見えたのは、失ったタイトルから2冠を獲るための「何か」が見えたからだろう。