スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
書類トラブルでレアルに残った男。
ケイロルが12戦3失点で守護神定着!
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byGetty Images
posted2015/10/29 10:40
レアル・マドリー初のコスタリカ人であり、今季からは1番をカシージャスから引き継いでいる。
なぜ昨季は控えで、オフに放出要員に?
カシージャスを巡って二分していたサンティアゴ・ベルナベウのスタンドは、新たなサント(聖守護神)の到来と共に一体感を取り戻した。専門家たちは「これほど素晴らしい選手がなぜ昨季は控えに甘んじ、オフには放出要員とされたのか?」とペレスへの皮肉混じりにケイロルのプレーを賞賛。チーム内では「ケイロル“パラス”」(パラール=止める)なんて呼ぶ選手も出てきたようだ。
5本の決定的セーブによってまたも勝利の立役者となった先週末のセルタ戦後、ケイロルは自身の公式HPにて次のコメントを発していた。
「今は1つ1つのシュートを確信を持って受けることができている。それはとても重要なことで、日々のトレーニング、そして仲間たちのサポートを通して得られるものなんだ」
恐らくデヘア獲得を諦めていないペレスは、そんなケイロルの活躍をどんな心境で眺めているのだろうか。どうであれ、ケイロルが会長の顔色など気にする必要はない。ファン、メディア、チームメートがみな彼を認め、全幅の信頼を置いているのだから。