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田澤純一、2度目のオーディション。
圧倒的セットアッパー、守護神では?

posted2015/09/10 10:30

 
田澤純一、2度目のオーディション。圧倒的セットアッパー、守護神では?<Number Web> photograph by Getty Images

2013年、2014年はともに71試合に登板し、WHIPは1.20と1.19。メジャーでも有力なセットアッパーである田澤純一だが、クローザーはまた別の能力が必要なのか……。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 2度目のオーディションは、終わった。

 8月30日の日曜日、リンパ腫の治療に専念中のファレル監督に代わってレッドソックスの指揮を取るロブロ監督代行は、「タズ(田澤純一の愛称)は今後、主に8回(セットアッパー)で起用していきたい」と話した。

 その日まで田澤は、9回にマウンドに上がる「暫定クローザー」だった。2013年のワールドシリーズ優勝時は7回や8回に投げ、クローザーの上原浩治に繋ぐセットアッパーだった彼がその役割を担うようになったのは、8月11日のマーリンズ戦以降のことだ。それは上原が、8月7日のタイガース戦で打球を右手に受けて骨折、今季絶望となったからである。

「8回でも9回でも、自分のやるべきことは変わらないですし、これからもしっかり準備していきたい」

 そう話していた田澤だったが、11日のクローザー初戦、1回2安打1失点でいきなりセーブに失敗してしまう。救援投手が打たれ、延長10回4-5でサヨナラ負けしたこともあって、試合後は「打たれた自分がすべて悪い」と己を責めた。

 しかし16日のマリナーズ戦は、調整登板で1回1安打無失点。19日のインディアンス戦は1回を三者凡退に抑えて今季初セーブを挙げた。

「最悪に近い状態」で受けたオーディション。

 3試合中2試合で無失点。この時点ではまずまずに思えた“クローザー・タズ”の出発だったが、そもそも彼は、クローザーに指名された時、「最悪に近い状態」だった。

 遡ること7月31日のレイズ戦。まだセットアッパーだった田澤は4-3の7回2死一、二塁のピンチに登板し、先頭打者に走者一掃の中越え二塁打を許して4-5と逆転された(味方がその後、逆転したために勝ち星が付いた)。

 8月2日の同カードでも、3-2の8回から登板して1回3安打2失点で3-4と逆転されてマウンドを降りている。彼本来の投球ができているとは言い難い状態だったのだ。

 決定的だったのは、8月8日のタイガース戦だった。田澤はこの試合、6-5と1点リードの7回に登板し、タイガースの主砲の一人ビクター・マルティネスに逆転2点本塁打を浴びて、1回2安打2失点で敗戦投手になった。

【次ページ】 フライが全部ホームランに見えた恐怖感。

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