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大迫傑の5000m予選敗退は快挙だ!
日本人が苦しんだ「中間走」を克服。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byPHOTO KISHIMOTO

posted2015/08/28 10:40

大迫傑の5000m予選敗退は快挙だ!日本人が苦しんだ「中間走」を克服。<Number Web> photograph by PHOTO KISHIMOTO

「駅伝には興味がないんですよ」と大学時代からトラック競技を目指して来た大迫傑。日本記録も更新し、長年の野望は結実しつつある。

「中間走に関してはあまり変わらなかったと思う」

 それでも、あとわずか決勝には手が届かなかった。

「中間走に関してはあまり変わらなかったと思うんですが、僕自身の課題として、ラスト100メートルで追いきれなかったことが……」

 レース直後に大迫は、そう話した。これまで日本選手権でも2位にとどまっているのは、ラストのキレで後塵を拝しているからに他ならないが、私はあえて、「中間走に関してはあまり変わらなかったと思う」という言葉に注目したいのだ。

 これをさらりと言ってのける選手が出てきたことは、日本の長距離界にとって大きな進歩だ。その意味では、テレビのフラッシュインタビューも、もう少しポジティブでも良かったと思う。しかし、やはりテレビという媒体は注目の競技に焦点を当てざるを得ないので、レースの中身に関しては別の人間が評価しなくてはならないな、と感じた。

 課題となったラストのスプリント力については、ある程度仕方ない部分がある。5000メートルのトップ選手たちの多くは100mを走れば11秒前後で走るが、大迫にそれは不可能だ。

 大迫が卒業した早大の関係者も、適性についてこう語っている。

「大迫は5000より10000、10000よりもマラソンの方にチャンスがあるんじゃないでしょうか」

 日本を飛び出し、オレゴンの地で駆ける大迫は自分の足で可能性を大きく広げてきた。

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