ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
マスターズの数倍を集める大会も!?
箱根で考える、地元と大会の関係性。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/08/30 10:30
今年のCATオープンで優勝した服部真夕。優勝は3年ぶりの5度目。箱根の町は、彼女にとっても忘れられない場所になったはずだ。
世界には、マスターズの数倍の観客を集める大会も!
米国アリゾナで毎年2月に行われるフェニックスオープンは、大会期間中の1週間で50万人以上のギャラリーを集める世界屈指の巨大大会である。マスターズをはじめ4大メジャーでも観衆は1日に約3~4万人が相場だから、それをはるかにしのぐ集客力だ。
ただし、現地でこの50万人がトッププロのプレーに真剣な眼差しを送っているかと言えば、はなはだ疑問。コース内外でロックバンドのコンサートを開催するなど、ゴルフ以外のイベントやブースが充実しており、トーナメントを同窓会がてらの集まりに使っている年配夫婦や、完全に“ナンパ目当て”と思われる若い男女グループの姿もたくさん見受けられる。
彼らにとっては、バッバ・ワトソンの飛距離も、ジョーダン・スピースの勝負強いパッティングも二の次。試合展開がどうあろうと、その場を楽しむフェスティバルには変わりないため、家族連れも多少の雨風は気にしない。スター選手がいなくたって、人と人の出会いの場として、おらが町の祭りを誇る。日本にも多くある「いい大会」には、ゴルフに関心が薄いギャラリーの心情を煽る大会側の努力が見て取れる。
生真面目なゴルフ観戦に特化するだけでは大会は立ち行かない。「この町で開催する意義」を追究した、ノンゴルファーにとってもかけがえのないトーナメントは、多くの人の財産になる。
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