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4度の昇格、そして4度目のマイナー。
川崎宗則は「味方の士気を高める男」。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2015/08/15 11:00
8月7日、ニューヨークでのヤンキース戦で9回無死一塁から代走で出場。二塁の守備では併殺をさばき、チームの6連勝に貢献した。
「ヤバイ。今年は上がれないかも」と思っていた今季。
川崎の今季4度目のメジャー昇格の前日、ブルージェイズは7月31日のノンウェイバー・トレード期限までにトロイ・トロウィツキー(ロッキーズ)を獲得し、過去数年ずっと懸念されてきた先発投手陣のテコ入れのために、「優勝請負人」として左腕デイビッド・プライス(タイガース)を補強した。もちろん、ワールドシリーズ連覇を成し遂げた1993年以来のプレーオフ進出を狙うためであり、アメリカンリーグ東地区の3位から2位へと浮上。気がつけば首位ヤンキースに1.5ゲーム差まで迫っている。
5度目のメジャー昇格はあるのか? それともこのままマイナーに埋もれていくのか? だが、そんな心配はきっと、川崎には必要ない。八方ふさがりに思える現状だが、今こそ「逆境を笑い飛ばす時」なのだから。
「キャンプの時、『ヤバイ。今年は(メジャーに)上がれないかも知れない』と思っていたのに、もう何回も上がれた。今はまだ来年のことなんて何も考えてないけど、これからもずっと、こっちでやりたいんだよね」
自らに由って自らが在る――。
川崎宗則の自由自在な野球人生は、まだまだ続いていく。