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ヤングMVPと過去の大選手。
~ハーパーとトラウトの受賞は?~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2015/08/14 10:50

ヤングMVPと過去の大選手。~ハーパーとトラウトの受賞は?~<Number Web> photograph by Getty Images

エンゼルスのマイク・トラウトの特筆すべき点は、打率に加えて四球も多いため出塁率が高く、盗塁王に輝いたこともあるほどの足を併せ持つこと。まだ24歳、末恐ろしい選手である。

 ペナントレースが、残すところ2カ月を切った。毎年思うことだが、オールスターのあとは一気呵成に終盤戦へとなだれ込むような感がある。それにしても、今季は開幕前の予想が派手に外れた。

 私がア・リーグの覇者に予想したインディアンスは中地区最下位に沈んでいるし、「100勝チームが出るとしたらここだけ」と下馬評の高かったナショナルズも、メッツに3連敗を喫してナ・リーグ東地区優勝が危うくなった。この勝率で一進一退がつづくようなら、ワイルドカードでポストシーズンに進出することさえむずかしいかもしれない。

 いまのところ最高勝率をあげているのは、ア・リーグがロイヤルズで、ナ・リーグがカーディナルスだ。どちらも手堅い野球をするが、この頂上対決ではやはり面白味に欠ける。いっそ、ブルージェイズ対パイレーツなどという、上り調子の穴馬がぶつかるワールドシリーズが実現しないものだろうか。

ハーパーとトラウトが受賞MVPを受賞すれば……。

 ま、ポストシーズンを占うのはもう少し先のことにしよう。ペナントレースの混戦(有力チームの迷走)とは裏腹に、今季のMVP争いは歴史的に見てもなかなか興味深い。

 最有力候補は、ナ・リーグがブライス・ハーパー(ナショナルズ)で、ア・リーグがマイク・トラウト(エンジェルス)だ。これは衆目の一致するところだろう。ふたりはともに若い。ハーパーが'92年10月生まれで、トラウトは'91年8月生まれだ。もしふたりの天才がこのまま逃げ切れば、レギュラーシーズン終了時の両者の合計年齢は46歳にしかならない。これは、史上最も若いコンビだ。

 個々の年齢を振り返っても、ハーパーがMVPに輝けば、史上4番目の若さ(22歳11カ月)となる。大リーグ史上、最年少のMVPは1971年のヴァイダ・ブルーだ。シーズン終了時、ブルーは22歳2カ月の若さだった。以下は、'70年のジョニー・ベンチが22歳9カ月、'43年のスタン・ミュージアルが22歳10カ月とつづく。それ以外では、'83年のカル・リプケン(23歳1カ月)や'54年のウィリー・メイズ(23歳4カ月)が眼につく。早熟の印象が強い'56年のミッキー・マントルは24歳11カ月、'86年のロジャー・クレメンスは24歳2カ月だった。

【次ページ】 24歳以前に130本塁打を放った、という事実。

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