野ボール横丁BACK NUMBER
1イニング2三塁打に、内野二塁打。
オコエ瑠偉の“陸上的”スピード。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byKyodo News
posted2015/08/11 17:00
甲子園のグラウンドの感触を「打撃面は(チーム全体が)これからのっていけると思う。守備ではミスが多かった。次の試合に向け、修正したいです」とコメントしたオコエ。
1試合に何度も三塁打を打つ選手!?
大会史上2人目となる1イニング2三塁打。
しかし、オコエ自身は「たぶん、(練習試合等で)これまでにも1、2回はあったんじゃないですか」と何でもないような顔で答えた。
ましてや1試合に2~3本の三塁打を打つことも、米沢いわく「しょっちゅう」らしい。現役時代、社会人野球を経験している米沢はこう感嘆する。
「キューバ人とも対戦したことがありますけど、あれだけの走力を持った選手は見たことがない」
第1打席では、一塁線への強烈なゴロが一塁手のグラブを弾き、カメラマン席の前に転がったのを見てすかさず二塁へ。「内野二塁打」という珍記録もつくった。
この日、オコエは4打数3安打4打点と大暴れ。かの長嶋茂雄は「本塁打よりも観衆が沸く三塁打の方が好き」と語っているが、ファンにその意味を存分に知らしめた。
試合は、関東一が一時8点差をつけたものの同点に追いつかれるという壮絶な打ち合いに。それでも最後は関東一が12-10と突き放して勝利したが、オコエは「全国の強さを知った」と次戦に向け気持ちを引き締めていた。