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西武・秋山翔吾の打撃は「神の領域」。
連続安打日本記録まで、あと7試合。 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byHideki Sugiyama

posted2015/07/06 11:20

西武・秋山翔吾の打撃は「神の領域」。連続安打日本記録まで、あと7試合。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

1994年のイチロー以来となる2カ月連続の月間40安打を達成し、あらゆる記録を塗り替える勢いでヒットを重ねる秋山翔吾。右投げ左打ちの俊足外野手、とレジェンドとの共通点も多い。

5年目にして手にした理想の打撃フォームとは?

 秋山は1年目から110試合に出場するなどレギュラーの座は早々と勝ち取ったが、3割を達成したシーズンは一度もない。昨季に至っては開幕からバットが湿り、5月にはファームに落とされた。一軍での打率は2割5分9厘と、苦汁を嘗めさせられた。

 そんな試練がありながらも、実はこの時、秋山の覚醒の予兆は現れ始めていた。

 打撃フォームの改造である。

 昨季は試行錯誤の繰り返しだったため結果はついてこなかったが、そのなかで秋山は、「バットを寝かせて構える」フォームが自分にしっくりくるのだと見定めた。シーズンオフ、春季キャンプでフォームを体に染み込ませるためにバットを振り続け、オープン戦で「これならやれる」と手応えを掴んだ。

 5年目にしてようやく手に入れた自分の形。秋山の覚醒は予定通りだった、というわけだ。

プロのフォームは「立てる」か「担ぐ」の2種類。

 レギュラーを務める選手にとって、“自分の形”を作り上げることは、一流選手になれるか否かの分水嶺となる。

「おおまかに言うと、プロ野球選手のバッティングフォームって、バットを『立てる』か『担ぐ(寝かせる)』かの2種類しかないんですよ。そこから、自分にとっての正解を見つけられればバッティングもハマっていくと思うんですよね。僕がそうでしたから」

 そう説明してくれたのは、ソフトバンクの松田宣浩だった。彼は当時の秋山幸二監督から、「バットを担ぐように構えろ」と指導され実践した。そして、立花義家、藤井康雄らといった打撃コーチたちとともに、アレンジを加えながら形を固めていったことで、ソフトバンク、侍ジャパンのメンバーとして不動の地位を築いた。今季も打率3割1分3厘、21本塁打、57打点と、キャリアハイが視野に入るほど打ちまくっている。

 松田のように、秋山もバットを寝かせるフォームがハマったわけだ。

【次ページ】 連続安打日本記録に待ち受ける「プレッシャー」。

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