スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
実力者の逆襲と大器の飛躍。
~ブライス・ハーパーが大爆発~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2015/05/30 11:00
打率5割2分2厘、3本塁打、9打点の大活躍で週間MVP(11~17日)を獲得したブライス・ハーパー。
彼らがポストシーズンの本命であることは間違いない。
ハーパー以外では、脇役の活躍が渋い。デナード・スパン、ユネル・エスコバー、ウィルソン・ラモスといった面々が、去年の主軸ジェイソン・ワースやアンソニー・レンドンの故障欠場を補う活躍を見せているのだ。もうひとりの主軸ライアン・ジマーマンは、打率こそ2割3分台に低迷しているものの、得意技のサヨナラ本塁打(通算10本は現役3位、歴代10位。総本塁打数189本の選手とは思えない高率だ)で見せ場をさらっている。
となると、あとは黄金の投手陣が本来の実力を発揮できるかどうかだ。J・ジマーマンやシャーザーは好調を維持するだろうから、問題はフィスターがいつDLから戻り、ストラスバーグ(現在の防御率が6.50)がいつ復調するかだろう。もしここでアクシデントが起こるようなら、ロアークやA・J・コールに思いのほか負担がかかることも考えられる。そうなればまたひと波乱だが、ナショナルズをポストシーズンの本命に推す私の考えは、いまのところ変わらない。