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FCソウルに危なげない勝利のG大阪。
遠藤保仁が語る'08年以来の手応え。
posted2015/05/28 11:40
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
「相手がどう出てくるかだね。蹴ってきたらこう対処しよう」
キックオフ直前、遠藤保仁と今野泰幸は、そんなことを話し合っていたという。
遠藤は、ACL決勝トーナメント1回戦、敵地ソウルでのファーストレグ、ロスタイムに失った1点が気になっていた。
3-0の完封勝利で終わるのと3-1で終わるのとでは、相手に与えるダメージがまったく違う。相手からすれば次に逆転の可能性を広げたことになるし、ガンバからすると相手に隙を与えてしまったことになる。あの1点が今回ホームでのセカンドレグ、FCソウルの戦い方にどう影響するのだろうか。
試合の入り、勢いはFCソウルにあった。ソウルで最後に奪ったあの1点から、まだロスタイムが続いているかのように前に出て来た。
試合開始直後、遠藤が感じた違和感とは?
だが、遠藤は「ん?」と思ったという。
相手は点を取って勝たないといけない。であれば地上戦ではなく、ロングボールを駆使し、強いフィジカルを活かして空中戦に挑み、落としたボールを拾ってゴールを狙う。いわゆる日本が一番苦手としているロングボール戦術をとるのではないか。遠藤は、その戦い方を警戒していたのだ。
だが、FCソウルはそうはしなかった。彼らのいつものやり方を通したのだ。
遠藤はやや肩透かしを食らった形となったが、相手が繋いでくるならしっかりブロックを作って守れば、やられることはないだろうと思っていた。相手の出方を見て、余裕をもって試合に入れていたのだ。
それが先制点に繋がった。前半16分、宇佐美貴史のクロスをパトリックが頭で決めて先制した。
「これが大きかった。1点取れば3点取られても勝てるし、相手に与えるダメージも大きい。その後の展開も優位に運ぶことができたんでね」
この先制点で勝利を引き寄せたガンバだったが、勝利を決定付けたヤマは前半40分過ぎにやってきた。