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谷繁監督がついに決断した若返り。
全力で走る中日が帰ってきた!
posted2015/05/03 11:00
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
NIKKAN SPORTS
中日は主力に35歳以上のベテランが多いので、昨シーズンまで「元気よく走る」という側面をファンに発信できなかった。私は打者走者の全力疾走の基準を「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達11秒未満」に設定しているが、それを中日でクリアできるのは荒木雅博、藤井淳志、平田良介、大島洋平くらいで、それも試合によってクリアしたりしなかったりという状態が続いていた。
それが、今年初めて生で見た中日はよく走るようになっていた。対戦相手の巨人と比較してみよう。
◇打者走者の全力疾走
4月28日 中日3人3回、巨人1人1回
4月29日 中日4人4回、巨人1人1回
4月30日 中日2人5回、巨人2人3回
中日の元気のよさがひと目でわかる。中日のスターティングメンバーを見ると、昨年まで起用されることが少なかった選手がかなり使われている。
新戦力が加わり、一気に若返り。
28日は3番松井佑介(左翼手・6年目・28歳)、4番福田永将(一塁手・9年目・27歳)、7番堂上直倫(三塁手・9年目・27歳)、8番桂依央利(捕手・2年目・24歳)が、29日は2番亀澤恭平(二塁手・移籍1年目・27歳)、8番松井雅人(捕手・6年目・28歳)が、30日は亀澤が前日に引き続いてスタメン出場していた。
打者走者の全力疾走の条件をクリアしているのは大島、荒木、平田、亀澤、エルナンデス、松井雅たちで、新戦力が2人加わっていることがわかる。
全力疾走以外でも、売り出し中の若手・中堅の元気のよさが目立つ。たとえば28日のスタメン捕手、桂は攻守交代する間の投球練習の最後にみせる二塁送球タイム(以下、イニング間)で何度も2秒を切った。