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<J助っ人外国人から日本への提言> ジョルジーニョ 「理想的な形は'94年のブラジル」
text by
藤原清美Kiyomi Fujiwara
photograph byKazuaki Nishiyama
posted2015/05/05 10:00
1964年8月17日、ブラジル生まれ。95年~98年にかけて4季を鹿島でプレー。12年の1季、古巣である同クラブを率いた。
相手次第では守りを固めて、ここぞという時に……。
日本は非常にクオリティが高く、技術力のある選手たちがいるからこそ、必要以上に攻撃的になってしまう。選手たちは高揚してしまい、チームが非常にオープンになってしまうんだ。僕は多くの試合を見てきたけど、日本はいつでもそういうところがあった。
多分、'90年W杯のベスト16敗退から王者にカムバックした、'94年のブラジル代表のような戦い方が、日本には適していると思う。技術的にはとてもクオリティが高く、戦術的には守備が強固。相手によっては守りを固めて、ここぞという時に出ていく、というね。
日本がブラジルやドイツ、その他の強豪と対戦する時に、オープンに戦うわけにはいかない。ブラジルと日本の対戦をいくつか見てきたけど、日本は対等に戦おうとする。それはできないし、やってはいけないんだ。
限界を考えて試合ができるようにもなるべきだ。
勇気を持つこと、自分たちのポテンシャルを信じることは必要なのだけれども、限界を考えて試合ができるようにもなるべきだ。フォーメーションは4-2-3-1、4-3-3、4-4-2、3-5-2……というようにいろいろあるけど、一番大事なことは、選手がそのシステムを理解し、きっちりとやり遂げることだ。守備を固め、完璧に守り抜く。スペースをきっちり埋める。そして、訪れた攻撃のチャンスを必ず活かす。
僕は日本代表がワンランク上にいくのを、夢見ている。自分たちのアイデンティティを、そして夢を持って、日本のプレースタイルを見出すことを。それが日本に必要なことであり、僕の夢だ。