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テクニシャンか「少し汚く」か――。
村田諒太、方向性を決める7戦目へ。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2015/05/01 10:40

テクニシャンか「少し汚く」か――。村田諒太、方向性を決める7戦目へ。<Number Web> photograph by AFLO

村田諒太が戦うミドル級の体重制限は、69.853kgから72.575kg。欧米のボクサーも多く、世界的にも層が厚いまさに「激戦区」だ。

次戦で、「プロの村田が何を志向しているか」がわかる。

 実は昨年、村田はプロ転向以来コンビを組んでいたトレーナー、イスマエル・サラス氏とのコンビを解消している。以降は、帝拳ジムの田中繊大氏がトレーナーを務めて昨年末の試合に挑んでいる。

 昨年12月の試合の前に3回のスパーリングを公開した村田は、田中氏についてこうコメントしていた。

「ミットを受けるのがうまく、話し合いも多い。ジャブがよく出るようになった」

 ただ、前回のニックロウとの対戦では試合内容に不満が残ったはずだ。その要因としては、田中氏とコンビを組んでから日が浅く、イメージ通りのボクシングが出来なかったと考えられる。

 その意味で、5月1日のアタイジとの試合は新体制になってからの2戦目であり、「プロの村田がどんなボクシングを志向しているのか?」を見極める機会となる。

 すでに29歳となった村田にとって、残された時間はそう多くはない。

 正直、回り道をしてしまった印象も拭えないだけに、今回のアタイジ戦は内容が非常に重要な一戦となりそうだ。

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