松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER

マスターズ初日は1アンダー18位発進。
松山英樹が語った唯一の後悔とは? 

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舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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posted2015/04/10 11:30

マスターズ初日は1アンダー18位発進。松山英樹が語った唯一の後悔とは?<Number Web> photograph by AFLO

初日を1アンダーの18位で終え、まずは予選突破に向けていいスタートを切った松山英樹。4度目の出場となるマスターズでも、新参者というよりも上位を争う選手に成長した。

1番ティへの道を歩く姿は、あたかもスターの様。

 ローアマに輝いたときでさえ、満足し切っていたわけではなく、「今の技術では世界では通用しない」と感じたことが世界を目指す彼の心に火を点けた。

 あの初出場から4年越し、足掛け5年。積み重ねてきた鍛錬と努力、その「重さ×長さ」がいかに大きな値であるか。その答えをずっと噛み締めてきたのは松山自身だ。

 だからこそ、後悔しないように――。それが今年のマスターズを戦う松山英樹の心のテーマだ。

 ピンと張られた2本のロープが、練習グリーンと1番ティをつなぐ小道になっていた。その小道を胸を張って歩く松山の姿は、あたかも舞台の裾からスポットライトに照らされた大舞台へ上がっていくスターだった。

 いくら「いつも通り」を目指していても、この「小道」を渡るときは表情が強ばる。視線は一層鋭くなっていったが、ティグラウンドで同組選手やキャディたちと握手を交わす立ち居振る舞いは、過去3度のマスターズのときとは異なるベテランの風格が漂い、ドライバーを手にしたときには、表情も動きも「いつも通り」に戻っていた。

「いいパーセーブができて、リズム良く回れていたかな」

 ティショットはフェアウエイをわずかに外し、ボールは左ファーストカットに止まったが、グリーン手前から低く転がして1メートル半に寄せ、しっかり沈めてパー発進。それもまた日頃から「出だしが肝心」と言う松山の「いつも通り」の姿だった。

「あそこ(1番)をボギーで行くのとパーで行くのは、だいぶ違う。いいパーセーブができて、リズム良く回れていたかな」

 2番も3番も、短いバーディーパットを外してパーになった。だが、4番では8mを沈めて爽快なバーディーを奪った。5番は第2打がグリーン手前へ転がって戻り、2mのパーパットを外して初ボギーを喫した。しかし、6番、9番と次々にバーディーパットを沈め、落とした以上のスコアを着々と奪い返していった。

 大きなアクションもガッツポーズも取らず、拍手や歓声に小さく手を挙げて応える松山の様子は、今季の米ツアーの大会で1月、2月、3月と眺め続けてきた「いつも通りの松山」そのものだった。

【次ページ】 小さな挙動も好順位も、全てがいつも通り。

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