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オーガスタへ、それぞれの紆余曲折。
ワトソン、マキロイ、そしてウッズ。
posted2015/04/07 10:30
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
AFLO
「タイガー・イズ・バック」
4月3日(米国時間)の昼下がり。タイガー・ウッズが自身のHPでマスターズ出場の意志を発表した途端、米ゴルフ界のテンションは一気に上がった。
今年になってウッズが出場した試合は米ツアーのフェニックス・オープンとファーマーズ・インシュアランス・オープンのわずか2試合。そこで目にしたウッズのアプローチ・イップスは目を覆いたくなるほどの惨状だった。フェニックスでは2日目に「82」を叩いて予選落ちを喫し、ファーマーズでは初日の12番で途中棄権。そして、ついには戦線離脱。
そんなウッズがマスターズに出場するか否かは、あたかも彼の戦士としての再起があるか無いかを示すバロメーターのように思われており、だからこそ、ウッズのマスターズ出場の報はビッグニュースとなって世界中を駆け抜けた。
「タイガーがマスターズに戻ってくる!」
「タイガー・イズ・バック」
そんなヘッドラインが方々のメディアで踊っている。「バック=back」という文字は、2月以降実戦から離れていたウッズの戦線復帰を意味する「戻る」でもあり、キャリアで初めてマスターズを欠場した昨年をまたいで2年ぶりに大会に「戻る」という意味でもある。そして、過去4勝を挙げたオーガスタで、再び優勝争いに「戻ってきてほしい」という人々の願いも込められている。
勝者としてオーガスタに戻るのは、バッバ・ワトソン。
メジャー4大会の中で、「バック=back」という文字が当てはまるのはマスターズだけだ。オーガスタという決まった戦いの舞台があるからこそ、ウッズのみならず、世界のマスター(名手)たちは毎年、それぞれの想いを胸に抱き、その場所に戻ってくる。
今年、勝者としてオーガスタに戻ってくるのは、ディフェンディングチャンピオンのバッバ・ワトソンだ。2012年にマスターズを初制覇。そして2年後の昨年、再びグリーンジャケットを羽織った。