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涙ぐむユヅルを慰めた優しき新王者。
フェルナンデスの「ミキとスケート」。 

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photograph byAsami Enomoto

posted2015/04/02 11:00

涙ぐむユヅルを慰めた優しき新王者。フェルナンデスの「ミキとスケート」。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

世界選手権で初優勝したハビエル・フェルナンデス。17歳でニコライ・モロゾフに師事して頭角を現し、バンクーバーで14位、ソチで4位と着実にステップアップしてきた。

「僕の中では君がいつもチャンピオンだから」

 '11-'12シーズンには初のGPシリーズの表彰台に乗り、現在まで欧州選手権は3連覇中だ。今年2月、3度目の欧州王者となったフェルナンデスは「クリケットクラブ」に戻ってきたのだが、それについてのコメントが印象的だった。

「世界選手権はこれまで2年連続で3位だけど、今年こそタイトルを獲りたい、とは考えていないんだ……」

 大会で優勝することにこだわる選手も多いなかで、フェルナンデスがこだわるのは、順位を上げることよりもトップのレベルを保つこと。

「だって、その方がずっと難しいでしょう?」

 その言葉通り、ここ数年のフェルナンデスは出場した大会の大半で表彰台に上がってきた。

 以前は練習嫌いで成績にムラがあると指摘する声もあったが、オーサーの下で着実に続けてきた努力が、世界王者として結実するのは時間の問題だった。世界選手権の表彰式では、ライバルに負けた悔しさからか思わず涙ぐんだ羽生に、こう声をかけたという。

「僕の中では君がいつもチャンピオンだから」

 個人競技を戦うアスリートでありながら、優しさも兼ね備えているのが、彼の魅力かもしれない。

羽生結弦と同じクリケットクラブで練習する日々のやりとり、
そして安藤美姫と彼女の娘と過ごすプライベートの時間……。
フェルナンデスはあらゆる質問に誠実に答えてくれた。
本編『ハビエル・フェルナンデス「夢、恋と人生、そしてユヅルについて」』は、Number875号でお読みください。
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