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山岸範宏、初の「アウェーの埼スタ」。
劇的ヘッド以上の“最高”を求めて。 

text by

轡田哲朗

轡田哲朗Tetsuro Kutsuwada

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2015/03/13 10:30

山岸範宏、初の「アウェーの埼スタ」。劇的ヘッド以上の“最高”を求めて。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

山形の守護神としての姿がすっかり板についた山岸範宏。埼玉スタジアムのサポーターは、13年以上ともに戦った男の凱旋を、どんな歓声で迎えるのだろう。

浦和の現背番号1、西川周作の山岸評は……。

 一方で、迎え撃つ形になるのは西川である。

 半年ほどではあるが共にトレーニングを積んで過ごした山岸の印象を「基礎が本当にしっかりしている素晴らしいGKです」と即答し、敬意を込めてこう続けた。

「ギシさん(山岸)の練習に取り組む姿勢や、一つ一つの丁寧なキャッチングの技術を自分のものにしたいと思っていました。難しいボールも簡単に取ってしまう技術の持ち主だと思いますし、近くで学んでいました。レッズで一緒にプレーできたのは本当に幸せなことです」

浦和サポからのブーイング、拍手、どちらも歓迎する。

 J1優勝を目指す浦和と、J1残留を目標にする山形。まして、山形から見ればアウェイゲームである。山形が最初から勝ち点1を狙うような展開に持ち込むのではないか、という予想は自然なものだが、「ハイプレスからのショートカウンターが山形のスタイルです。相手があるわけですから、90分やり続けるのは難しいですし、臨機応変な柔軟性は必要ですよ。でも、J1に上がったからベタ引きしてやろうというつもりは無いです」と、山岸は自分たちのスタイルへのこだわりを見せる。浦和に対しても、真っ向から勝負を挑む姿が期待できそうだ。

「レッズのサポーターから、ブーイングがあっても拍手をもらっても、どちらでも良いと思います。今は山形の一員として、山形の勝利のために自分のプレーをすることが、最大にして唯一の責任ですから」と、キッパリと言い切った山岸の古巣対決。埼玉スタジアムにはどんな光景が広がり、どんなドラマが待っているだろうか。

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