G大阪の優勝を予想しつつ、波乱に期待する人も。

●細江克弥　サッカーライター

1位：G大阪
2位：鹿島
3位：川崎
4位：浦和
5位：柏
6位：鳥栖
7位：湘南
8位：FC東京
9位：横浜FM
10位：広島
11位：新潟
12位：名古屋
13位：松本
14位：清水
15位：仙台
16位：神戸
17位：甲府
18位：山形

　1ステージ制だろうが2ステージ制だろうが、優勝候補の筆頭は昨季の3冠王者であるG大阪で変わらない。現状のチームは、リーグタイトルを獲る上で何より大切な（頭で考える必要のない）スタイルの定着と、それに伴う「勝つこと」への自信と意欲という点で群を抜いている。そのリズムを国内とは勝手の違うACLで乱されなければ、宇佐美貴史が豪語する「獲れるものはすべて」も現実味を帯びるのではないだろうか。

　戦力を考慮すれば対抗は浦和、川崎、鹿島あたりだが、いずれも発展途上だ。

　浦和は的確かつ即戦力の補強に成功したとはいえ、昨季露呈した勝負弱さを解消するための戦力定着までには時間がかかりそう。川崎は通年の安定感よりも絶対に落とせない試合で必ず勝点3を手にする「ピンポイントの強さ」が必要だが、チームの志向はそちらに向いていない印象が強い。鹿島は柴崎岳の出来次第。しかし彼の存在感が小笠原満男を下回っているようでは、チームとしてのスケールアップも弱い。3チームそれぞれに抱える「不足」は、「優勝」を考慮するとより大きく際立つ気がする。

　上記4チームを先頭とするリーグを面白く引っ掻き回してくれそうなのは、対戦相手に左右されない確固たるスタイルと正攻法を持つ柏、鳥栖、湘南の3チームだ。

　吉田達磨体制となってステップアップを期す柏にはネルシーニョ時代に作った土台があり、クリスティアーノら楽しみな即戦力も補強。鳥栖は豊田陽平を先頭に立たせる「勝つための手段」を確立しており、安定感も抜群。湘南が昨季のJ2で見せた“らしさ”はJ1でも通用すると確信しており、特に前半戦はどのチームも戸惑うはず。この3チームと並んで戦力的には十分なポテンシャルを持つFC東京と横浜FM、ノヴァコヴィッチを獲得した名古屋あたりが上位争いに食い込むようなら、リーグ全体の盛り上がりは高まる。

　2ステージ制の目的がリーグの活性化によるファン層の拡大なら、近年続く混戦模様の継続は大歓迎。サポーターに「優勝」の期待感を抱かせるチームが一つでも多くあってほしいという意味では、予想としての優勝候補はG大阪でも、結果としては予想を裏切るチームの大躍進に期待したい。