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リーグ3連勝、ドルトムントに光明。
香川が語る、CLユベントス戦の意味。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2015/02/23 16:30
シュツットガルト戦で2アシストを挙げた香川。ユベントス戦後の28日には、内田篤人擁するシャルケとのルールダービーも控えている。
昨年秋の絶不調期と明らかに違うところ。
前半戦の10月から11月にかけて、チームの状況はもっとも落ち込んでいたのだが、その時期、攻撃に複数の選手が絡んだものがほとんどなく、個人技に頼ったものだった。
実際、11月30日の試合でドルトムントを下したフランクフルトの長谷部誠は「良いときのドルトムントではない」と謙虚に振り返った上で、こんな感想をもらしていた。
「組織としてあまり上手くいってなかったのかなと思います」
しかし現在、歯車が噛み合いはじめた攻撃陣は輝きを取り戻そうとしている。
前半戦の終盤に1トップのレギュラーの座を射止めたインモービレは、DFラインとの駆け引きを飽きずに繰り返し、決定的なチャンスをつかもうとする。同じように右MFに君臨しているムヒタリアンは、ドリブルで相手をかわす能力だけを見れば、ドルトムントの中でもトップかもしれない。
「結果がついてくるようにこのままやっていければいい」
冬の移籍期間にレッドブル・ザルツブルクからやってきたカンプルは個人での打開力ではムヒタリアンに遠くおよばないが、走行距離は常にチームトップクラス。攻撃時にはチームメイトのために献身的に動きまわり、守備になれば相手を追いかけまわす。
オーバメヤンはインモービレよりFWとしての能力は劣ってはいても、守備の献身的なチェイシングや、自分にパスが来なかったとしても決してやめない愚直なまでの裏をとる動きがある。それゆえに、エースのロイスに「彼とプレーする際には大きな喜びがあるんだ」と感じさせるのだ。
そして、前半戦で味方を引きたてる働きに徹していたものの、チームメイトたちが個の能力での崩しを追い求めるあまりにテンポが合わなかった香川のプレーも、複数の選手が絡む攻撃で機能し始めるようになった。香川は「ゴールを獲れるようにやっていくこと」を課題としてあげる一方で、こんな風にも話している。
「得点に絡めていることは、まずは、良いことだと思っています。あとは、結果がついてくるようにこのままやっていければいい」