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岡田彰布が注目するのはヤクルト。
「ケガ人を出さずに乗り切ることや」
posted2015/02/02 16:30
text by
岡田彰布Akinobu Okada
photograph by
Sports Graphic Number
メルマガ「野球の神髄~岡田彰布の直言~」。
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!
【1】 ルーキーにとってキャンプは洗礼の場!?
~プロ1年目のキャンプを振り返る~
【2】 補強成功のヤクルトのキャンプに注目。
~“ヤ戦病院”の汚名返上なるか~
【3】 読者の質問に「そら答えるよ」。
~岡田彰布のズバリ回答~
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【2】 補強成功のヤクルトのキャンプに注目。
~“ヤ戦病院”の汚名返上なるか~
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──監督としての初キャンプはどうでした?
岡田:オレの場合はコーチからの昇格だから、立場は変わっても感覚としてはそれほど変わらなかったな。
──今年は広島、ヤクルト、ソフトバンク、西武、楽天の5球団が新監督を迎えます(西武・田邊監督は監督代行から正監督に)。
岡田:広島、ヤクルト、西武、楽天は昇格だからアレやけど、ソフトバンクの工藤監督は西武で現役を引退してから3年間、現場から離れていたわけや。評論家として外から野球を見るのと、チームの中に入って選手を見るのでは大違いやから、最初はどうやろな。
──2011年はメジャーを視野に入れての“浪人”ですから、実質4年間ですね。
岡田:監督がキャンプでやるべきことは戦力の確認や。選手の動きを確認しながら、1年間のゲームプランを練るのが監督にとってのキャンプなんよ。
スタッフから上がってきたレポートでデータは把握してるはずだけど、実際に確認するとズレがある場合もある。データだけでは分からないこともたくさんあるし、評論家として見ているだけでは分からないことのほうが多い。オレもオリックスの監督就任1年目は選手の実力を把握するのには時間がかかったしな。「コーチが言ってることと違うやん」いうことも多かったからなあ……。
まあ、ソフトバンクは選手層も厚いし、コーチにも優秀な人材が揃っている。監督をサポートする体勢は万全だろうし、そういう意味では工藤監督はスムーズにスタートを切れると思うよ。
ヤクルトが最下位だった理由は、ケガ人の多さやからな……。
──優勝を義務づけられるプレッシャーはあるでしょうが、勝つための方法論を持っているでしょう。工藤監督自身も選手時代に優勝を何度も経験していますからね。岡田さんがいちばん注目している新監督は誰になりますか?
岡田:監督というよりも、ヤクルトには注目しているよ。成瀬善久は二桁の勝ち星を計算できる投手だけど、大引啓次を獲ったのも大きいで。ヤクルトはいい補強をしたよな。
──大引のキャプテンシーはオリックス、日本ハムでも高く評価されていましたからね。ヤクルトのスタメン平均年齢27.4歳は12球団で最も若いチームですし、チームリーダーとしての役割を期待したいですね。
岡田:リーグ1位のチーム打率(.279)なのにヤクルトが最下位だった理由は、ひとえにケガ人の多さやからなあ……。ケガ人が出ることは想定していたとしても、バックアップまでケガしてるようでは、どうしようもないからなあ。
──ケガをしない身体をつくるのがキャンプの主目的なのにもかかわらず、ヤクルトはキャンプからケガ人が続出してましたからねえ。
岡田:真中監督も対策は考えていると思うけど、まずはケガ人を出さずにキャンプを乗り切ることが新監督としての最初の課題やな。
──“ヤ戦病院”の汚名返上はなるでしょうか……。阪神はどうでしょう?
岡田:今季は新戦力はいないわけやから、これまでやってきた野球に磨きをかけるということになるわな。
──タナボタ的とはいえ昨年は日本シリーズに進出して、戦力的には優勝をねらえる位置にいる。
岡田:いちばんの懸念は中継ぎの人材やけど、そこらへんはオープン戦にならないと見えてこないな。
──まさにキャンプは“始動”の場ということですね。優勝予想なんぞは……。
岡田:そんなもんできるかいな(笑)。