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ボールの空気圧に細工の不正発覚!?
スーパーボウル直前のある“騒動”。 

text by

渡辺史敏

渡辺史敏Fumitoshi Watanabe

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photograph byAFLO

posted2015/01/29 10:30

ボールの空気圧に細工の不正発覚!?スーパーボウル直前のある“騒動”。<Number Web> photograph by AFLO

ペイトリオッツのトム・ブレイディはすでに3度スーパーボウルを制した、NFLの歴史に残る名クォーターバック。キャリアの終盤を不正疑惑で汚すことになってしまうのか。

ペイトリオッツに浮上したある「疑惑」。

 ペイトリオッツの強みは攻撃、特にパス攻撃に自信を持つ。シーズン後半以降、15年目を迎え37歳になったブレイディのプレーと意気込みは鬼気迫るものがあった。リーグを代表する強さを持つTEロブ・グロンコウスキーへのパスの破壊力は強烈だ。

 そんなブレイディとペイトリオッツに対し、判官贔屓的な見方も手伝って優勝を予想する声もごく最近まではあった。が、皮肉にも出場決定直後からチームの評価が大きく揺らぐ事態に陥っている。

 ペイトリオッツは18日に行なわれたAFCチャンピオンシップで、インディアナポリス・コルツを45-7の大差で下し出場を決めた。しかしそのハーフタイムに、ゲーム前半ペイトリオッツが使用していた12個のボールのうち、11個で空気圧がリーグ規定より低かったことが判明したのである。

 空気圧が低いとボールを握りやすくなり、パスをコントロールしやすくなる。そのための不正が行なわれていたのではないかという疑惑が噴出することとなったのである。

 これに対し、ブレイディは記者会見で「空気圧の変更などしていない」と強調し、嘘をついているのではという質問にも「そんなことはない、ルールを破るようなことは一度もしたことがない」と完全否定。ベリチックヘッドコーチも「私個人としてもチームとしても、すべてルールにのっとって行動していると100%確信している」と意図的な行為ではなかったとした。

ブレイディは一転ヒールに。

 しかし多くの専門家からは、QBはボールのさわり具合などを非常に気にするもので、ゲーム前にチェックするのは常識であり、ブレイディが気づかなかったことはあり得ない、素直に認めなかったのは残念、などと非難が続出している状況だ。リーグからの処分なども含めて、スーパーボウル当日までこの問題は後を引くことになりそうだ。そしてこの問題によって、ブレイディとペイトリオッツは一転ヒールになってしまった。

 NFLの趨勢のうねりが感じられ、様々な想いや事態が交錯する中、砂漠の街での最終決戦が始まろうとしている。

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