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知られざる大熱狂。
~“アメリカ版甲子園”大学バスケ~
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byGetty Images
posted2014/04/18 16:30
NCAAトーナメントで優勝を果たし、パレード車に乗るコネチカット大のライアン・ボートライト。
NFLのスーパーボウル、MLBのワールドシリーズ、そしてNBAのNBAファイナル――北米プロスポーツのシーズン王者決定戦はどれも人気が高く、日本でもテレビ中継される。だから日本のスポーツファンも、それがどのような会場で、どれくらいの観客を集めて行なわれているか、だいたい知っている。
しかし一つ、日本ではあまり知られていない米国のビッグイベントとして、大学バスケットボールの全米王者決定戦「NCAAトーナメント」を挙げることができる。
毎年3月から4月にかけて開催される全米の大学、68校によるこのトーナメントは、大学スポーツのイベントとして米国で最も注目度の高いものだ。それはこの大会の観客動員を見れば理解できる。現地時間4月7日に行なわれた今年の決勝戦「ケンタッキー大―コネチカット大」は、7万9238人の観客を集めた。会場はNFLカウボーイズの本拠地AT&Tスタジアム。チケットの料金は、安い席でも110ドル(約1万1000円)ほど、コートサイドの高い席は3000ドル(約30万円)を超えるという、たいへんな高額チケットだった。