スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
メッシが初めて語った移籍の可能性。
本人の「幸せ」こそがファンの望み。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byAP/AFLO
posted2014/12/03 10:50
11月22日のセビージャ戦、チームメイトに胴上げをされ、子供のような表情のメッシ。
最高のパフォーマンスには、「幸せ」が必要。
「何事にも終わりがある。メッシがバルサで築いてきたキャリアを考えれば、出て行くなんて考えられない気持ちは理解できる。でもいつかはその日が来る。それは今季か1年後か、5年後になるかもしれない」
先日、そう言っていたのは元バルサのデコだ。デビュー当時からメッシを身近で見守ってきた彼は、続けてこうも言っていた。
「彼のような選手が最高のパフォーマンスを発揮するためには、幸せである必要がある。これは重要な鍵だ。メッシが幸福ならバルサに残るだろう。もしそうでなければ、最善の解決策を見いだすことになる」
セビージャ戦後に見せたあの笑顔は、彼がバルサでプレーする喜びを取り戻した証なのか。それとも“幸せだった頃”を懐かしんでいただけなのか。バルセロニスタたちは今、それが前者であることを切実に願っている。