プロ野球亭日乗BACK NUMBER
オオタニはメジャーでエースの器!
日米野球で証明されたその“真価”。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2014/11/27 11:00
札幌ドームで開催された日米野球第5戦に先発登板。4回68球を投げ6安打2失点だったが、7つの三振を奪取。直球主体のパワーピッチで、「日本に大谷あり」をメジャーに印象づけた。
メジャースカウトからのアドバイスとは。
夢ではない。すでに一つの具体的な目標としてメジャーという世界が視野に入ってきた。日米野球を終えた大谷の収穫は、その実感を手に入れたことだったのだと思う。
「とにかく今後は、マークしなければならない重要な選手の一人であることは間違いない」
こう語ったのは、ネット裏で熱心な視線を送り続けたある球団のスカウトである。
これまでは本人にも、メジャーの各球団にとっても、机上の話だった大谷のメジャー移籍は、この日米野球を号砲に確実に現実のものへと変わったのである。
そんな大谷に、メジャーリーガーのアドバイスを最後に記す。
「課題は制球力だね。ストレートの威力はあるけど、メジャーではただ速いだけの球ならスタンドまで運ぶパワーの選手はいくらでもいる。あのストレートを威力あるものにするには、コーナーにきちっと投げ分けるコントロールが必要だろう。それとスプリットの精度を磨いた方がいい」
外交辞令ではない。これが大谷のメジャーへの本当の課題ということだと思う。