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連覇目指す京都の鬼か、快速3歳か。
「二強」が激突するマイルCSを占う。
posted2014/11/22 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
連覇か、3歳馬による14年ぶりの勝利か。
今年のマイルチャンピオンシップ(11月23日、京都芝外回り1600m、3歳以上GI)は、タイプの異なる「二強」による争いになりそうだ。
二強のうち1頭は、ディフェンディングチャンピオンのトーセンラー(牡6歳、父ディープインパクト、栗東・藤原英昭厩舎)だ。
京都大賞典3着からマイルチャンピオンシップというローテーションは去年と同じ。この馬はちょっと変わっていて、全4勝を京都の外回りコースで挙げている。3コーナーの下り坂で勢いをつけ、そのまま水が低いところに流れるようにサーッと末脚を伸ばすとものすごい瞬発力を発揮するのだ。昨年、距離がここの2倍もある天皇賞・春で惜しい2着になっているように、京都の外回りコースでありさえすれば、レーティングを1割増にしてもいいほどなのである。
「マイル仕様で仕上げてきて、思惑どおり、いい状態です。昨年とメンバーも展開も違ってきますが、能力は発揮できると思います」と藤原調教師は連覇に手応えを得ている。
武豊「良馬場なら確実に走ってくれる」
手綱をとる武豊も、「去年もすごく状態がよかったのですが、今年もいいですね。良馬場なら確実に走ってくれると思います」と自信をうかがわせている。
昨秋までは1800m以上のレースにしか出たことがなく、このレースではじめてマイル戦を走ったのだが、今年は「ベストパフォーマンスを発揮できるのはこの距離」と武が言うように、迷いなく戦える。1歳年をとったわけだが、これが今年の4戦目と大事に使われているので疲労の心配はない。
今年も、道中は後方に控え、3コーナーから滑るように加速して前をとらえにかかるだろう。そして、かなりの確率で差し切れる……と言いたいところだが、今年は、前で流れ込みを狙う強力なスピード馬がいる。